「左利きは早いうちに矯正した方がいいんじゃないかと思って‥。」
「いや、そんな事ないって‥。」
「うちでは昔からそうしているしねぇ‥。」
「‥あの、でもすみません。それだけは‥少しでも人と違うものを持っているというのは、きっとこの子の力になるので‥。他の事には口を出しませんから‥。」
『ハイキュー』若利君母と祖母、そして婿養子であった父親の会話です。
日本において、左利きの人は10%程度であると言われています。
日本社会は、右利きように出来ており、左利きである私自身も、子ども時代苦労しました。
はさみ等は右利きように作られていますし、お釣りを置くトレーも、ICカードのタッチも右側に置かれています。
その為、左利きの人は、生活の中で右手を使わざるを得ない局面が多々あります。
左利きが生活しずらい日本社会ですが、左利きの方が数学的な思考に強かったり、空間認識能力が高い等というデータがあります。
左利きの人の脳を分析すると、右脳が発達している、さらに右脳と左脳の繋がりが強い等という事がわかっています。
右脳は左半身と繋がっている為、左利きの人の右脳が発達している事は容易に理解する事が出来ます。
では、右脳と左脳の繋がりが強いのは何故でしょうか?
これは、社会が右利き用に出来ている為、左利きの人も、右手を使わざるを得ない場面が多い事により生じていると推測する事が出来ます。
右利きの人が左手を使う場面よりも、左利きの人が右手を使う場面の方が格段に多いと思います。
右手を使う場面が多い左利きの人は、右手を使う事により左脳も働きます。
これにより、左利きの人は左脳と右脳の繋がりが強いのです。
人と違う左利きを矯正するのではなく、人と違うものを持っている強みとして受け止めていくという文化が定着する事を願うとともに、もう少し左利きが生活しやすい日本社会になってほしいとも感じています。
「‥俺は恵まれている。もし恵まれていなくても、頑張るのは同じだったと思う。でも、俺の左手(ギフト)を守ってくれてありがとう。お父さん。」
『ハイキュー』若利君の言葉です。