「ああお頭。やっぱりかっこいいなァ。お頭ありがとう…」
『キングダム』黒桜の言葉ですです。
2009年アフリカ、タンザニアのザンジバル島の浜辺を眺めていると、バルサ・マドリー・ユナイテッド等のユニフォームを着て、サッカーを楽しんでいる子ども達の姿がありました。
私は、その時、サッカーの懐の深さを感じました。
サッカーは、国や貧困等、関係なく誰にでも手を差し伸べてくれます。
そして、ビーチでも、ストリートでも、グランドでも、どこであろうと、そのピッチを支配出来るのは、国籍でも、経済力でもなく、サッカーがどれだけ上手いかです。
昨日、サンシャイン水族館に行き、驚いた事がありました。
それは、2人シティのユニフォームを着ている子どもと、1人バイエルンのユニフォームを着ている子どもを見かけた事です。
2010年代は、メッシかロナウドのユニフォームを着ている日本の子ども達が多かったように思います。
つまり、日本の子ども達の多くは、バルサかマドリーのユニフォームを着ていました。
それが昨年パリが来日した事により、パリのエムバぺのユニフォームを着ている子ども達を多く見かけるようになりました。
今年もパリは来日しましたが、メッシ・ラモスが退団し、エムバぺもクラブと揉めている為、来日しませんでした。
そこで、日本の子ども達の視線は、シティに向かいました。
さらに、シティVSバイエルンというビッグマッチが開催出来た事より、今年の夏はこの2チームが主役となりました。
心理学に単純接触効果という考えがあります。
これは、接した回数が多いもの程、好ましく感じるという効果です。
人の脳は、接した回数が多いと、接した人や物等に対する認知が素早く行われるようになります。
すると、脳は素早く認知出来るのは、自分が好感を持っているからだと勘違いし、好感が高まるのです。
私は、ユニフォームが売れる殆どの要因は、よく観るから好きになるという単純接触効果によるものだと思います。
始まりは、それで良いのです。
子ども達は、チームでも、戦術でも、経済力でもなく、単純に「かっこいい」と感じるからこそ、その選手に憧れ、ボールを追いかけ始めます。
思えば、私も高校の時、大学の選択の時に福祉関係を選択した時「福祉のどんな仕事をしたいか」と考えた時に、当時の日本、否、現在もですが、私の「かっこいい」に該当するものがなく、悲しい気持ちになった記憶があります。
私は、福祉関係の仕事をしたいのではなく「マザー・テレサになりたかった」のです。
当時の教師・友達等、誰に話しても、私の上記の想いは通じませんでした。
戦術や分析がこれだけ進歩してきた、サッカーの世界において「かっこいい」を貫く事は困難な時代となってきました。
ロナウド・メッシ・ラモス…。
かっこいいを貫いてきた選手達は、ヨーロッパの舞台を去っていきました。
クラブと衝突をしているエムバぺには、是非「かっこいい」を貫いてほしいと願っています。