「自分はただ最善と思うトスを上げるだけ。その先の全てまで自分の手の中にあるワケじゃない。前の影山なら全部自分で何とかしようとしてたかもしれないのにな。」
『ハイキュー』コート上の王様影山に対する鵜飼の言葉です。
バレーならトス、サッカーやバスケならパス、もちろん最善のトスやパスを送る努力はしますが、その先のプレイを選択するのは、トスやパスを受け取った選手です。トスやパスを出す選手にその先の制限をすることは出来ません。受け取る相手が、選択肢を持つことが出来るトスやパスを出すことが出来る選手を、私は評価します。
ケアマネジャーの方から、よく受ける相談の1つに「家族が認知症について理解してくれない。」ということがあります。
私は、これに対し、「認知症を理解しようとするかしないかは、相手の課題であり、あなたの課題ではないのではないでしょうか。」と答えます。
世の中は、課題の分離が出来ていない人が多いです。
利用者が介護保険サービスを利用しないのは、ケアマネジャーの課題であると評価する方が一定数おり、特に医師や看護師、行政の方に多いように感じます。
また、そういう方ほど、相手を説得するケアマネジャーを良いケアマネジャーであるかのように勘違いします。
ケアマネジャーが出来るのは、サービスや事業所の紹介までです。その先、そのサービスや事業所を利用するかどうかは、相手が決めること、つまり相手の課題です。
相手の課題まで引き受ける人は一見親切に見えますが、自分よがりで、相手に感謝をされたい、つまり自分の承認欲求を満たす為に相手を利用している人が大半です。
自分の発言に対して、相手がどのように思うかは、自分にはわからないし、コントロール出来ません。それは、相手の課題であるからです。
もちろん、自らの言動を振り返り、次に活かすことは必須です。しかし、相手の課題を、自らの課題のように勘違いしても、どうにもなりません。
課題の分離をすることで、無駄な悩みが幾分か減少することを約束します。