「敵うハズもねェ様な敵の大軍を前にしても、ロジャーは逃げずに立ち止まる。」
「死にたがりなのかい?逃げる事も戦いだ。」
「そうじゃが、逃げない。ー背後に愛する者がおるからじゃ。共に逃げれば、仲間達も危険にさらす事になる。正確に言うならば‥逃げないんではない‥目の前の敵達が仲間を追わん様に敵を逃がさない。ーその時のロジャーはまさに鬼。仲間の悪口を言われたと、一国の軍隊を滅ぼした事もある。」
「確かに、怒らせりゃあ凶暴・短気でわがまま。ーしかし、その行動はいつも子供の様に単純でまっすぐじゃった。今のエースにも似た生い立ちのせいじゃろう。愛する者を失う事を極度に嫌っておった。あんな無茶な生き方をしても、運よく生きのびた結果が海賊王。世間の評判は最悪でも、仲間からの信頼は絶大。海兵のわしでさえ、あいつを嫌いになれんかった。だから、エースを引き受けたんじゃ。」
『ONEPIECE』ガープとダダンの会話です。
…1人の男が田舎道を歩いていました。少し離れた農地で農夫が作業をしているのを見つめ、次の町までどれくらい掛かるかを尋ねました…
…しかし、農夫は返事をしません。男は、怪訝そうな顔をして、再び歩き始めました…
…男が少し歩いたところで「30分くらいだ。」という農夫の声が聞こえてきました…
…男は、振り返って農夫に「さっき尋ねた時に、どうして答えてくれなかったんだい?」と聞きました…
…農夫は「だって、おまえさんが、どんなスピードで歩くかわからないだろう?」と答えました…
『田舎道を歩く男』という寓話です。
この話は、自分はどのような能力に長けているのかを探っていく時のヒントになります。
人の能力は、本人が主観的に「私はこうありたい」等と願う事や「私はこれが出来るはずだ」等と信じる事により決まるわけではありません。
いかなる客観的な成果を、この世に生み出したかにより、事後に決まるのです。
ここには、2つの意味が含まれています。
1つ目は、能力は仕事の前にあるのではなく、仕事の後に発見されるという事です。
ある仕事が出来たという事実が、自分にはその仕事を行う能力がある事を、社会に示すのです。
2つ目は、能力があるかどうかは、本人が判断するわけではなく、周りの人間が判断するという事です。
そして、その判断基準は、周りの人の主観ではなく、結果や実績・成果等の客観的に数値化出来るものであるべきです。
「エース、おめェあの時、なぜ逃げなかった?」
「時々‥カッと血が上るんだ。逃げたら何か‥大きな物を失いそうで恐くなる。あの時は‥おれの後ろにルフィがいた。わからねェけど‥たぶんそのせいだ。」
『ONEPIECE』ダダンとエースの会話です。
人が仕事で成果を出す事は後ろ。
人が仕事で成果を出す理由は、後ろに守るべき人がいるから。
あなたの後ろには、どのような成果や、どのような人達がいますか?