いい試合だった。全てを出し切ったんだ。後悔等あるはずがない。そんなやせ我慢をコートの隅に置いて去るんだ2

 

 「やって後悔する方がいいなんてことを言うのは、やってしまった後悔の味を知らない無責任な第三者の台詞だ。だけど、だけど‥一番いいのは、やって後悔しないことだ。」

 『化物語』神原駿河の言葉です。

 

 

 私達は「感情のポートフォリオ」の中に、たくさんのポジティブな感情を持っておく必要があります。

 しかし、ポジティブな感情への投資を増やし過ぎると、良くない結果を招く事になります。

 「感情のポートフォリオ」のバランスを欠くと、ネガティブな感情に投資する事で獲得出来る学習や成長の機会が妨げられて、自分の才能や能力を開花させる事が出来なくなってしまいます。

 

 何故なら、ネガティブな感情には、私達が生き延びていく事を助けてくれる機能があるからです。

 私達は、恐怖心があるおかげで、危害をもたらしそうな人から遠ざかったり、交通事故を未然に防ぐ事が出来ます。

 嫌悪感を抱くからこそ、悪しき振る舞いをしないように生きる事が出来ます。

 怒りの感情があるからこそ、脅威や挑発に対し警戒心を抱き、清濁を見極める感情が研ぎ澄まされます。

 

 ネガティブな感情ばかりなのは良くありませんが、ネガティブな感情が少な過ぎるのも、良くないのです。

 直立二足歩行をする私達人類は、ネガティブな感情を抱く能力がなければ、ここまで生き延び、地球の支配者となる事もなかった事でしょう。

 

 

 

 …悲しみ・怒り・罪悪感…

 様々なネガティブな感情をリストアップしていくと、ある感情が最も強力であり、最も悪者であるかのように取り扱われている事に気付きます。

 

 その感情とは、後悔です。

 自己啓発書を見ると「後悔なんかしている暇があるなら動け」「やらずに後悔するなら、やって後悔しろ」等のメッセージが記されている本が並んでいます。

 では、後悔はしない方が良いのでしょうか?

 

 否、後悔も人にとって不可欠な感情です。

 後悔という感情が人類の生存戦略にとって不要なものであれば、700万年の人類史の中で、後悔という感情が現在まで生き残るはずがありません。

 後悔の新たなページを進めていきたいと思います。

 

 この続きは、また後程。