いい試合だった。全てを出し切ったんだ。後悔等あるはずがない。そんなやせ我慢をコートの隅に置いて去るんだ

 

 …いい試合だった。全てを出し切ったんだ。後悔等あるハズがない。そんなやせ我慢をコートの隅に置いて去るんだ…

 『あひるの空』千葉の脳内言葉です。

 

 

 1950年シカゴ大学の大学院で経済学を研究していたハリー・マーコウィッツという学生が、ある理論を思い付きました。

 その理論は、現代において投資をしている人からすれば当たり前に思える理論ですが、当時は革命的な理論でした。

 

 マーコウィッツが思い付いた理論は後に「現代ポートフォリオ理論」と呼ばれるようになりました。

 ポートフォリオ理論を一言で表現すると「分散投資」です。

 

 マーコウィッツの理論が知られる以前は、多くの投資家は、1つ或いは2つの有望な株式に集中的に投資する事こそ、株式市場で富を築く道であると思い込んでいました。

 確かに、この方法でごく稀に途轍もない利益を生み出す事もあります。

 しかし、それはギャンブルに当たるのと同様で、確立の低い運に掛けているに過ぎません。

 それでも、投資にリスクは付き物と考えられ、誰も上記の投資方法を疑う事もしませんでした。

 

 

 これに対し、マーコウィッツは「分散投資」をする事で、リスクを減らし、手堅く利益を得る事が出来ると主張をしました。

 「分散投資」とは、1つの銘柄に集中的に投資せず、複数の銘柄を同時に購入する投資方法です。

 この方法で投資をすれば、1度の投資で莫大な利益を得る事は出来ませんが、長い目で見れば、リスクを大幅に減らし、大きな利益を得る事が出来ます。

 

 あなたが投資をしているインデックスファンドやEFT(上場投資信託)は、マーコウィッツの「現代ポートフォリオ理論」に基づいた金融商品です。

 私自身も、全世界株式・アメリカ株式・インド株式のインデックスファンドに投資をしています。

 

 

 

 マーコウィッツの理論は現代においても多くの人が恩恵を受けている影響力の大きいものですが、私達は投資以外の場面では、この考え方を忘れてしまいます。

 感情も、その1つです。

 人は「感情のポートフォリオ」を持っています。

 

 その中には、愛・誇り・喜び等のポジティブな感情も含まれますし、怒り・悲しみ・後悔等のネガティブな感情も含まれます。

 私達は、概してポジティブな感情の価値を過大評価してしまいます。

 そして、ネガティブな感情の価値を過小評価、否、無視しようとします。

 

 多くの人は、一般的な価値観や人からのアドバイスや自分自身の直感に従い、ポジティブな感情ばかりを抱こうとし、ネガティブな感情を遠ざけようとします。 

 しかし、このような方法で感情と向き合う事は「現代ポートフォリオ理論」以前の投資家の投資戦略と同じです。

 ポジティブな感情ばかりを抱こうとし、ネガティブな感情を遠ざけようとしては、先の時代の投資家同様、どこかのタイミングで大きな負債を負う事になります。

 

 この続きは、また明日。