「‥言葉はいらねェぞ‥一つ聞かせろエース‥おれが親父で良かったか‥?」
「勿論だ‥。」
『ONEPIECE』白ひげとエースの会話です。
先日、眼鏡店にレンズの矯正に行きました。
その時の店員が、言葉に余白を作る事なく話をする姿に、私は違和感を感じました。
言葉量としては、店員9対私1程度でした。本来であれば、お客様9対店員1が、あるべき姿ではないでしょうか。
何故なら、お客様が買物をする時は、気分が良い時だからです。
そして、お客様が気分が良くなる時は、自分の聞いてほしい話を聞いてもらい、自分を承認して貰えた時です。
上記の店員のように、言葉に余白を作る事なく、矢継ぎ早に話をされては、お客様の気分が良くなるはずもなく、お客様が買物をする事もありません。
メラビアンの法則では、人と人がコミュニケーションを取る時、言語が与える影響は7%のみであるとされています。
他は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%です。人はほとんどの情報を、言語以外から得ています。
話す内容が大切であると感じているのは、話をしている当人だけだったりする事が、ほとんどなのです。
それよりも、話をしている時や聞いている時の表情、声の明るさ、声の抑揚等、視覚情報や聴覚情報の方が、相手に与える影響が大きいのです。
私は、オンラインが普及するメリットの1つに、自分が相手の話を聞いている姿を自分で認識する事が出来る事が挙げられると考えています。
これにより、いかに自分が無表情で動きなく退屈そうに、相手の話を聞いていたのかを知る事が出来ます。
禅では、あえて会話に余白をする事を良しとします。
人には、言葉にならない思いがあるものです。
会話で余白を作る事で、相手に考えや思い、気持ち等を入り込む隙間を用意する事が出来ます。
一方的に自分が伝えたい事だけを伝えても、相手にあなたの考えや思い、気持ち等は届きません。
言うと伝わるは、別物なのです。
初めは、沈黙は怖いものです。
しかし、沈黙を恐れないでください。
その沈黙の時間は、相手があなたの言った言葉を、伝わる言葉に変換している時間なのです。