うん?助ける?僕が?そりゃあムリだ。はっはー君が勝手に一人で助かるだけさ2

 

 「…私は。あなたが助けてくださると聞いて来たんですけれど。」

 「うん?助ける?僕が?そりゃあムリだ。はっはー君が勝手に一人で助かるだけさ。」

 

 「ああいうモノってのは、どこにでもいるし、どこにもいない、とも言える。つまりお嬢ちゃん。君の視点…心の在りようというのかな…それが切り替わるだけなのさ。」

 「禅問答ですね。まるで。」

 「いいやぁ…違うさぁ。君は、薄々この答えに気づいているはずさ。君は、何かのせいでそうなったんじゃない。被害者ヅラが気に喰わねェつってんだよ。」

 『化物語』戦場ヶ原と忍野の会話です。

 

 

 人の心は、不安を探しています。

 人の心は、逆境を必要としているのです。

 だからこそ、目の前に本当の問題等無いにも関わらず、本能的に問題を作り出し続けてしまいます。

 

 人の心には、反脆弱性と呼ばれる性質があります。

 反脆弱性とは、逆境に直面すると強くなる性質です。

 圧力がかかるとダイヤモンドになる炭素のように、心は、逆境という形での刺激を必要としています。

 

 人生における本当の逆境をどれも否定し続けると、どのような事が起こるでしょうか?

 脳や心は、埋め合わせをしようと、乗り越えるべき逆境を自ら作り出します。

 ただし、ここで脳や心が自ら作り出した逆境は、人生にとってあまり意味のあるものではありません。ただの時間の浪費となるような些細な事がほとんどです。

 

 

 あらゆる逆境から逃げ、心を庇っていると、あなたの心は、不安や失望・悲しみに対して、脆弱になってしまいます。

 問題の本質は、逆境に自らの力で立ち向かう事を放棄した事から生じています。

 この状態を繰り返していると、人生は自らの行動により作るものではなく、誰かの人生の助手席に乗り、放っておいたら勝手に目的地まで連れて行ってくれると考えてしまいます。

 

 逆境に立ち向かう事は、基本的にはしんどいものです。

 私も避けたいと本能的には感じます。

 しかし、人の心は逆境を必要としているのです。

 

 逆境に立ち向かい、失敗し、恥をかき、怒りを覚える事を繰り返す事で、あなたの心は鍛えられます。

 逆境は、呼吸や食事・睡眠同様、人が生きていく上で必要なものであると理解しましょう。

 そうすれば、逆境がきても、当たり前のように立ち向かう事が出来ます。

 

 数々の逆境を乗り越えてきたあなたの心は、誰よりも強く、そして、誰よりも優しくなっている事を約束します。