おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

 

 …お父さん、お母さん、お元気ですか?私も、ジジもとても元気です。仕事の方も軌道に乗って少し自信がついたみたい。おちこむこともあるけれど、私、この町がとても好きです…

 『魔女の宅急便』キキの手紙です。

 

 

 『紅の豚』から、カッコいいとは1人で仕事をする事、そして、目的の為だけに信頼出来る数人の戦友と協力する事である事を学びました。

 『魔女の宅急便』から、例え心地よくても1人前になる為には故郷を出る事、不安でも孤独でも、世界は自分の力で切り開くものである事を学びました。

 『耳をすませば』から、夢を追いかける事の儚さと困難さ、夢を諦めた後も人生は続く事を学びました。

 

 

 『魔女の宅急便』のテーマは、少女の自立です。

 主人公のキキは、魔女の子ではあるものの、本質的には普通の女の子です。

 故郷を旅立つ事で、自分の個性を知り、宅急便を始めて、人と人との間の関係が生まれ、交錯して拡大していく。

 

 人は、人と人との間にあって人間となります。

 その間が多様化して、力強く、布のように織られていくのが、自立なのかもしれません。

 冒険と孤独と愛情。その過程で1人の少女が、自立していく過程を見事に描いた作品が『魔女の宅急便』です。

 

 

 

 寂しさを感じるのは、悪い事ではありません。

 寂しさを知らなければ、他人を大切にしようと思う事も出来ません。

 その寂しさを優しさに変える事が出来れば、あなたは誰かを寂しさから救ってあげる事が出来ます。

 

 10人の人がいれば、2人には嫌われ、2人には好かれ、残り6人はどちらでもない人になります。

 大切なのは、あなたが好かれる人を探して、その人と付き合う事です。

 嫌ってくる人ばかりに気を取られて、人生の時間を無駄にしないように気をつけましょう。

 

 全ての人に好かれるのは、不可能です。

 あなたを大事にしてくれる2人に目を向けましょう。

 

 

 「私、前は何も考えなくても飛べたの。でも、今はどうやって飛べたのか、わからなくなっちゃった。」

 「そういう時は、ジタバタするしかないよ。描いて、描いて、描きまくる。」

 「でも、やっぱり飛べなかったら?」

 「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり、何もしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ。」

 『魔女の宅急便』キキとウルスラの会話です。