「誰かパレートの法則って聞いたことあるか?」
「全体の数値の8割は、全体を構成する要素の2割の要素が生み出しているという経験則。その割合から、80対20の法則とも呼ばれています。」
「正解。さすが花澤さん。」
「つまり、ここにいる8割の人間は、能なしってことだ。」
「だが、安心しろ。能なしの凡人が天才に勝てる方法を叩き込んでやる。まずは、今日から無駄な努力は一切するな。パレートの法則通りだ。おまえらがやっている仕事の8割は無駄だ。とっと価値のある2割に集中しろ。」
「意味のない仕事を上司や同僚に押し付けられそうになったら、即座に断れ。おまえのかけがえのない人生は、上司に好かれるためにあるのか?違う。時間も体力も有限だ。エネルギーを分散させるな。営業成績に直結することだけに特化しろ。」
『正直不動産』神木と花澤の会話、そして、神木の言葉です。
80対20の法則という考え方は、様々な場面において、役立ちます。
たとえば、あなたの会社、20%の部署が売り上げの80%を出していませんか?
また、本当に会社に貢献するような実績を上げてるのは20%の人のみで、残りの80%の人は20%の人の実績から給与を得ているだけではありませんか?
さらに、犯罪の80%を20%の犯罪者が、交通事故の80%を20%のドライバーが、離婚の80%を結婚と離婚を繰り返す20%の人達により、成り立っていると言ったら、あなたは信じますか?
パレートの法則は、自然界の法則でもあります。
たとえば、アリの中で、きちんと働く働きアリは全体の20%しかいません。
しかし、この20%の集団がいなくなると、残りの80%の中から、新たな働きアリの集団が全体の20%の割合で結成されます。
アリだけではなく、生物の進化の過程も、ヒトの行動も、多くの場合にパレートの法則が該当します。
パレートの法則にいち早く注目し取り入れ、大成功したのはIBMでした。
IBMは1963年に、ヒトがコンピューターを使う時間の80%が、全機能のうちの20%に集中している事に気付きました。
そこで頻繁に使われる20%の機能が、ユーザーにとって使いやすくなるように、OS(基本ソフト)を作り変えました。
この為、人々は、IBMのコンピューターの性能が最も高く、最も高速に動くと思い、IBMのコンピューターを買いました。
しかし、日本人は特に、パレートの法則を受け入れがたい世界観を持っている人が多いです。
労働時間と報酬は釣り合っていて、どの従業員も、お客様も、商品も、等しく価値があると信じています。
ヒトの2倍働けば、ヒトの2倍稼げる。
実績を出していない従業員も部署も商品も大切だから、会社が守らなければならない。
友達は皆等しく平等だから、同じように対応しなければならない。
これらは全て嘘であり、大人や経営者や政治家が、子どもや従業員・国民を従順に生きていくように洗脳している呪いのようなものです。
あなたの人生も、仕事も、勉強も、どのような分野においても、本当に大切な部分は全体の20%でしかありません。
20%に特化する事が出来たら、人生も、仕事も、勉強も、あなたの想った通りの結果に繋がるはずです。