おもしろきこともなき世に、おもしろく

 暴れ牛と称された高杉晋作は、時代が必要とした狂気でした。
 80人で長州藩に反乱したり、50倍以上の幕府軍と長州1藩で戦いに挑んだり、反乱の灯を点ける為イギリス領事館を焼いたりもしました。
 その行動は、まさに狂気です。
 それでも、高杉には、高杉を熱狂的に支援する人達がいました。
 まるで、その人達にも、高杉の火が燃え移っているかのように見えます。
 そして、熱狂的な支援者は奇兵隊に代表される戦人だけではありません。
 商人も、高杉の描く未来に共感し、経済的な支援をします。
 軍艦を管理していた長州役人も、高杉の描く未来に共感し、軍事的な支援をします。
 坂本龍馬も、高杉の描く未来に共感し、薩摩と手を結ぶことができるよう支援をします。
 高杉が、ただの狂気であれば、これほどまでに、様々な種類の人達を動かすことはできません。
 「引き寄せられる狂気」とでも表現できるでしょうか。
 高杉が亡くなった半年後、明治維新が成されます。
 明治政府は、幕府を倒すことはできたものの、その先の未来を描くことはできていませんでした。
 そして、戦いが終了してしまった為、強行に自身の描く未来を創ることが困難となりました。
 私は、幕末一の狂気高杉が、明治維新に参加をしていたら、どうなっていたのかと想像するとワクワクします。
 戦いが終了したら姿を消したかもしれませんし、平和等関係なく狂気の如く自身の描く未来を実現させたかもしれません。
 高杉が生きていたら、現在と異なる日本となっていたかもしれません。
 高杉の狂気には、それだけの期待を持つことができます。