「兄上の転職をいい契機にしてほしいから伝えるデ。ピンチをチャンスに変える生き方を。まず従来の3ステージを知ってほしいでゴザル。①教育を受け②仕事をし③引退を迎える。私達より上の世代のほとんどの人が、この順番通りに人生を歩んでいたネ。」
「それが普通でしょ?私達の人生は、人生100年時代へと突入していくということは…あ…。」
「これまでのように60代まで働けば引退では済まなくなる。公的年金はあてにできず、引退後の全てを賄うほどの金額を貯めるのも難しい。つまり私達は、80代まで働くことが求められる世代。だから、私達は従来の生き方のモデルをシフト…つまり変えなければいけない。それが、ライフシフトよ。具体的には、従来の3つのステージから、マルチステージへの移行ナンジャ。」
「マルチステージって何?」
「多様な人生。2つ3つのキャリアを持ち、生涯を通じて、再創造を繰り返すことでー人生の選択肢を広げて生き抜くのジャ。ステージを変えるごとに新たな能力を身につけ、視野や人とのつながりも広くなり強くなっていく…それがマルチステージ。」
「すごい…魅力的な生き方ね。けど、そんな理想的なことができるの?」
「普通に生活してたら無理よね。自分が心底楽しめて、やりがいや高揚感を持てる。そんな新しいステージに移行するための自分への投資が必要になるんだ。ただやみくもに何かすればいいってことじゃない。自分が何者かというアイデンティティを常に意識する。つまり、自分らしく生きるとはどういうことか?イメージして行動する。これからは、与えられた仕事をこなすだけの受け身の人生ではなく、意識的に選択して生きていく時代なの。」
『LIFE SHIFT 人生100年時代の人生戦略』の一説です。
毎年、年末年始多く休む会社が増えてきており、この傾向は、私は素晴らしいものであると感じています。
現代は、人生=仕事の時代は終わり、人生=仕事・学び・遊びの時代です。
20歳前後まで教育を受け、65歳までバリバリ働き、その後は引退して余生を楽しむ。
多くの日本人が、このような3ステージの人生を想定しています。
しかし、会社はいつ倒産するかわからない時代、会社の在籍年数に比例して給料が上がらない時代、政府の年金もあてにならない時代、65歳までの働きでその後の長い人生を賄う程、貯金をするのも難しいでしょう。
それであれば、出来る限り健康に過ごし、より長く働く事が求められます。
このような生き方を可能にする新しいモデルが、マルチステージの人生です。
「どう?」
「そんなの無理だ。」
「どうして?」
「これから自分探ししろとでも言うのか。俺が置かれている立場がわからないのか?家族を守るのが、俺の役目なんだぞ。いや…すまない美咲。俺のために…。本当にすごい話だったよ。身にしみた。そうだ…俺は今まで何となく生きてきて認識が甘かったんだ。与えられた仕事を必死にこなすのでいいと思っていた。そんなやつ子会社行きが当然だな…なのに自分を買いかぶって退職するなんて…後悔しかないよ。」
「でも、今は葵が生まれたばかりだ。自分探しする余裕なんて物理的にも精神的にもない…そんなの夢物語に過ぎないよ…。」
「達也さん。美咲ちゃんが話してくれたのは、今回のことは生き方を変えるチャンスだっていうことよ。私もそう思う。仕事してるあなた、ずっと辛そうに見えた。あんな身も心もすり減らすだけの生活じゃ、たとえ会社を辞めなくたって、いつかきっと人生につまずいてたと思う…」
「これからのこと、ちゃんと考えましょうよ。…ふたりで…あなたが本当にやりがいを感じられる仕事だってきっと見つかるはず…だから、何もかも手遅れみたいに言わないで…美咲ちゃんの言うとおり、私達の人生まだまだ先は長いんだから…」
再び『LIFE SHIFT 人生100年時代の戦略』の一説です。
仕事をして、家族との時間を作り、子育てをして、正直自分の好きな事に向き合う時間はほとんどなく、しんどくありませんか?
仕事だけをして、家事や子育ては全て妻に任せる。
こんな昭和の男のような生き方は、出来ない時代です。
私自身も、家事や子育てには協力していきたいという気持ちを持っていますが、仕事だけをしていれば良かった昭和の男を羨ましく感じる事もあります。
否、協力するって何なのと言われる時代ですね。
20代から60代という時期を、仕事一辺倒、キャリアアップ一筋で過ごす時代は、終わっています。
自分をすり減らすような、働き方は避けるべきです。
仕事・学び・遊びのバランスを取りつつ、柔軟に人生を組み立てていく事が、令和の時代の人生設計です。
それでも私達が憧れてきたJUMPのキャラクター達は、ほとんどの時間を自らの仕事若しくは成長の為に充てており、私自身もそのような生き方に憧れてきました。
私自身、毎日自分の人生設計に悩んでいます。
仕事については、好きに話す事が出来る土壌が出来てきました。
今後はもう少し、家族の在り方についても好きに話していいのではないでしょうか。