「交渉する時は、解決能力のある相手と交渉しないと意味がないんです。」
橋下徹の言葉です。
たまに「そちらの会社で働かせて下さい。」と言ってくれる方がいます。
その言葉は嬉しいのですが、雇用契約を結ぶという事は会社も相応のリスクを負う為「はい。働いて下さい。」等とは言えません。
そこで私は「あなたを雇用したら、会社にとってどのようなメリットがありますか?」と聞きます。
これに対し、返答出来る人はほとんどいません。
日本人は、交渉が下手な人が多い印象があります。
「あなたがこれをしてくれたら、私はこれが出来ますよ。」という交渉ではなく「私の要望を何とか受け入れて下さい。」というお願いにしかなっていないパターンが非常に多いです。
お願い事が通じるのは、子どもと美人だけです。
仕事において、大の大人がお願いを繰り返す事は恥ずかしい行為です。
歴史を振り返ると、百姓一揆もお願いの象徴です。
皆で団結して、殿様に「年貢を下げて下さい。」とお願いをする事が百姓一揆です。
たまに殿様が心の広い人だったりすると、年貢を下げて貰えたりするのですが、声を上げた農民は殿様に逆らったという事で殺されてしまう事がほとんどです。
百姓一揆は、命を懸けたお願いであって、交渉になっていないのです。
たとえば「税金を下げないなら、村ごと隣の領地に引っ越します。」等、きちんと交渉をする方が百姓一揆という命を懸けたお願いをするよりも、余程合理的です。
戦国時代位までは明智光秀に代表されるように武士や農民にも、流動性があったようです。
しかし、江戸時代になり、武士や農民等の人の流動性は少なくなっていきました。
そのように考えると、交渉ではなく、お願いをするという謎の文化が江戸時代以降、日本人のDNAに定着してしまい、現在まで残っているように感じます。
お願いではなく、交渉をする。
これを意識し、行動する事で、仕事のステージを1つ上げる事が出来ます。