ここに居る選手の中に、誰一人として負けを経験しない者など居ない。たとえ、この大会の結果が優勝であったとしても、強者ほどより上の強者に打ちのめされる。挑む者だけに、勝敗という導と、その莫大な経験値を得る権利がある。今日敗者の君たちよ。明日は何者になる?2

 

 「一生天敵に脅えてネズミのようにコソコソ生きてくぐらいなら、命をなげうってでもその天敵に一矢報いてやろうとはー」

 「思わねえよ。誰もがあんたらみたいな死生観で生きてるわけじゃないんだよ。ネズミのような人生だって必死に生きてんだろ?‥何もあんたに貶されるような筋合いはねえよ。」

 「‥お父さんや仲間を殺した奴らがのうのうと生きてても、気にせず生きていけるっていうのか?商会や家族に、真実を教えてあげたくないのか?」

 「は?そりゃあんたらの都合だろ?」

 「当たり前だ。お前も自分の都合を通してみろ。」

 

 「さあ付いてきてもらうよ。フレーゲル。」

 「いやだ。放せ。もうあんた達は、負けたんだ。敗者なんだよ。」

 「何言ってんの?調査兵団は、未だ負けたことしかないんだよ?」

 『進撃の巨人』ハンジとフレーゲルの言葉です。

 

 

 私達が、成長や成功を掴もうと思い、挑戦や行動をしたら、必ず失敗や挫折に出くわします。

 成長や成功をしようと思うのなら、行動量を増やす必要があります。

 しかし、行動量を増やすと、自ずと失敗や挫折の量も増えます。

 起業をしても会社は立ちいかなくなるかもしれませんし、新たな友人との関係性は常に不和の可能性がありますし、新しく始めた勉強は三日坊主で終わるかもしれません。

 ここで、失敗や逆境を恐れる必要はありません。

 新たなチャレンジを増やせば、同時に失敗の確率が上がるのは当たり前の話だからです。

 

 では、失敗や逆境にあっても、挑戦や行動を重ねていく為に、必要な事は何でしょうか?

 それは、回復力です。

 

 

 ノースウエスタン大学が、過去30年間の会社や科学者等の77万件のデータを集め、統計的な特徴がないのかを調べた研究があります。

 全てのデータを分析した所、成功した会社や科学者にだけみられた特徴が3つ浮かび上がりました。

 

  ①キャリアの初期に失敗を経験した会社が科学者の方が、後年により大きな成功を手にしていた

  ②成功した会社や科学者は、最初の失敗から2度目の失敗までのスパンが短い

  ③長く成功を続ける会社や科学者は、失敗を経験した後で、失敗の原因を分析していた

 

 ここから、私達が成長や成功をする為に、必要な能力を導き出す事が出来ます。

  ①挫折から立ち直る力

  ②失敗を糧にする力

 過去の事例を見ても、この2つのスキルにより、名声を勝ち得た著名人は少なくありません。

 

 J・Kローリング『ハリーポッターと賢者の石』は出版社から12回も拒否されています。

 リチャード・バック『かもめのジョナサン』は出版社から18回も拒否されています。

 マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』は出版社から38回も拒否されています。

 

 これら全ての作家に共通するのは、挫折からの回復が速い点でした。

 ローリングもバックもミッチェルも、皆不採用を知らされるや、すぐに改稿に取り掛かり、物語の構成を変えたり、登場人物の性格を変えたりと、すぐに新たな行動を起こしています。

 このような回復力なしでは、我々がハリーポッターの世界観を味わう事も出来なかったでしょう。

 

 成長と挫折、成功と失敗は、表裏一体です。

 コイン同様、成長や成功が出る事もあれば、挫折や失敗が出る事もあるのです。

 成長や成功をする為には、あらかじめ、多くの挫折や失敗を織り込んでおく事が必要です。

 挫折も失敗も特別な事ではありません。怖がる必要等、ないのです。