「お前な、そんなん嫌がってるけど、返納したら凄い特典とか受けられるからな。」 「大した特典ちゃうやろ。」
「いやいやいや、免許返納した人は、タクシー20%引きで乗れるからな。」 「‥ちょっと、それはええけど。」
「そうやろ?」 「タクシー20%オフなの?」
「そうや。」 「大阪だけ?全国?」
「佐賀県だけ。」 「佐賀県だけやんか、お前。」
「そうや。佐賀のタクシー。」 「ちゃう、佐賀のタクシー乗らんねん俺。」
「そんなん、いつか行くかも知れへんやろ。」 「俺、一生佐賀行かん。」
「なんでそんなこと言うねん。」 「行かんやろ。」
「なんかのタイミングで行くことあるかも知れへんやん。」 「人間が普通に生きてたら佐賀に行くタイミングなんかない。」
「そんなことないわ。」 「ないわ。」
「何言うてんねん、お前。」 「佐賀に行くタイミングあるのは、佐賀の人だけや。」
「は?」 「佐賀は出られるけど、入られへん。」
さや香のM1のネタです。
佐賀に行ってきました。
入る事が出来るか心配でしたけど、無事佐賀に入る事が出来ました。
皆さんは、佐賀と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく、多くの人が何も思いつかず、また、さや香のネタ通り、一生の間に1度も佐賀に行く事もないのではないでしょうか。
佐賀県は、驚く事に、動物園も、水族館も、ありません。
しかし、弥生時代、最大の遺跡、吉野ケ里遺跡があります。
…この村は、卑弥呼という巫女が託宣によって村を指導し、村の人間は彼女を妄信していた…
…私と母は、災いの家族として村を追われ、岩穴に住まわされていた。それでも「いずれは卑弥呼様の恩情で村に戻れる。」と母は毎日そう言っていた…
「あんな村になんか、戻らなくていいよ。村の連中は、自分で考える事すら出来ないバカばっかり。何が神の示しだ。何が託宣だ、あのババアの言っている事は嘘だ。全部デタラメなんだ。」
「ヨギ‥卑弥呼様を、悪く言うんじゃない。卑弥呼様のおかげで、村が豊かに暮らせてるのよ。」
「‥うん。そうだね‥。」
『魔女大戦』ヨギの子ども時代の回想です。
吉野ケ里遺跡の最大の特徴は、集落の防御の為に掘られた遺構です。
総延長2,5kmにも及ぶ深さ2~3mのV字型の壕が外壕と内豪の二重に掘られ、外敵の侵入を防いでいたと考えられています。
これに加え、壕の内外に木柵や土塁、逆茂木等の敵の侵入を防ぐ柵も作られていました。
さらに、物見櫓が環濠内に複数置かれ、見張り、或いは敵を威嚇する役目を果たしていました。
「弥生人の声が聞こえる」
これをテーマにした吉野ヶ里歴史公園では、上記の集落が、見事に再現され、確かに弥生人の声が聞こえてきそうです。
実は、邪馬台国や卑弥呼という名称が記された日本の文書は、存在しません。
『魏志倭人伝』という当時の魏の国(現在の中国)の文書に、魏の国の人が記していた事で、邪馬台国や卑弥呼の存在が明らかとなりました。
邪馬台国や卑弥呼がどこにいたのかはまだ確定はされていませんが、吉野ケ里遺跡にいたという説が、最も有力です。
当時の魏と日本では、武力に大きな差がありました。
『キングダム』の世界観の時に、日本は弥生時代だったのです。
それでも、魏が日本を侵略に来なかったのは、吉野ケ里遺跡を始めとした日本の環濠集落や当時の日本人に、何かしらの説得力や得たいのしれなさがあったからではないでしょうか。
物見櫓に登り、日本の戦の始まりを感じました。
ここから、義経が騎馬を組織的に動かす戦術を実践し、信長が鉄砲を戦に取り入れる事を実践し、土方が最期まで時代に抗うという、日本の戦の歴史が進んでいったと考えると、感慨深い想いとなりました。
…私は、神など信じない。神託なんてよくわからないもの大嫌いだ。そして、空の方が、私にたくさんの事を教えてくれる。もし、神がいるのだとしたら‥この私を止めてみろ…
「わかった。ワシの宝物を屋敷も全部だ。全部貴様にくれてやる。」
「嘘ばっかり。だったらアンタの嘘、いただくよ。」
「よく聞けぇ。たった今、卑弥呼様は紙の御意思に従い、己の身を焼き、その恩命を捧げた。」
「そっそんな‥お前はヨギ‥何故?」
「案ずるな。卑弥呼様の最期の命により、その御力は、このヨギが受け継いだのだ。」
…降る…
「その証拠に今から雨を降らし、この炎を消してみせよう。」
「雨だと‥そんな‥」「雨だ。凄いぞ‥新たな巫女の力だ。」
「これが嘘の力か。ワシの名は卑弥呼。託宣を授かりし者。キミは、信じるかなぁ?」
『魔女大戦』卑弥呼の回想です。