そして、誰もケアマネをやらなくなった7

 

 「焦んないよ~。良いジャンプは?」

 「‥良い助走から。」

 『ハイキュー』縁下とリハビリ中の白鳥沢学園高校バレー部員との会話です。

ハイキュー!! 14巻 感想 和久谷南決着!縁下さんの神回 主将の ...

 

 

 

 皆さん、夏季休暇(夏休み)は、取れたでしょうか?

 帰省された方も、旅行に出掛けた方も、自宅でゆっくり過ごされた方も、いたと思います。

 私自身、仙台に旅行に行き、旅行後は溜めていた私用の雑務に取り組む事が出来ました。

 

 夏季休暇やゴールデンウィーク、年末年始等で、旅行に出掛けたり、家族と過ごしていたり、事務所の大掃除をしていたりしている時に、その休息を邪魔してくるものがあります。

 それが、利用者・家族、さらには仕事関係者・区役所等からの電話です。

 

 想像してみて下さい。

 旅行中に、仕事の電話が掛かってきたとします。

 その電話の後も、仕事の事が、頭から離れなくなります。

 これで、旅行が楽しめるでしょうか?

 心も身体も、休息させる事が出来るでしょうか?

 

 

 4,04倍。

 この数字は、2022年12月におけるケアマネジャー(ケアマネ)の有効求人倍率です。

 2023年における有効求人倍率の平均は、1,29倍である為、ケアマネになろうとする人が、いかに少ないかが理解出来ると思います。

 

 

  ①求められる仕事に対して、給料が安い

  ②精神的に疲弊する

  ③資格の維持が大変

 

 ケアマネがケアマネを辞める要因を分析すると、上記の3つに分類する事が出来ます。

 

 

 休日にも掛かってくる電話は、②精神的に疲弊するに該当します。

 私自身、10代後半から20代前半までは、休みなく働く事が、カッコいいいと思い、そのような仕事スタイルを取っていました。

 しかし、そのような働き方では、長期戦となる仕事を続ける事は困難であり、さらには、仕事の生産性も落ちる事に、20代中盤で気付きました。

 

 休息は、将来より高くジャンプする為に、エネルギーを充電する為に不可欠です。

 休息により、日々の仕事のストレスから解放され、仕事を続ける心を獲得する事が出来るのです。

 さらに、休日に知らない場所に出掛けたり、知らない本を読んだり、知らない映画を観る事で、あなた自身の知見を拡げる事が出来、この積み重ねが、あなたの魅力を上げ、 仕事にも繋がっていくのです。

 

 

 ケアマネの仕事には、区切りがありません。

 訪問介護(ヘルパー)であれば、与えられたサービス時間以外、たとえば、9時~10時のサービスであれば、仕事の責任を負うのは、その1時間という区切りがあります。

 通所介護(デイサービス)であれば、仕事の責任を負うのは、デイサービスに来ている時間だけという区切りがあります。

 

 しかし、ケアマネには、その区切りがありません。

 

 人が、最も恐れるものは、何でしょうか?

 それは「先がわからない」事です。

 

 休日や夜間問わず、いつ電話がくるのかわからない状態で、1年間も過ごしていれば、心を病んでしまう事も、想像に難くありません。

 この仕事スタイルを変えない事には、仮に、ケアマネになったとしても、すぐに心を病み、辞めてしまうという負の連鎖が止まりません。

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 まず、取り組むべきは、仕事関係者・区役所等の公務員からの、休日・営業時間外の電話をなくす事です。

 弊社の夏季休暇は、8月12日~15日まででしたが、その間の電話は、家族から3件・仕事関係者から6件・区役所から3件でした。

 2018年より、私自身「電話掛けない運動」を実施してきたおかげで、これでも電話の量は1/3程度に減少しました。

 

 病院で働く人は、若しかしたら病院自体に休みはないかもしれませんが、その人自身にはお盆から多少ズレるかもしれませんが、休みがあるはずです。

 区役所自体には、夏季休暇はないのかもしれませんが、ただそこに所属しているだけで平均以上の給与が貰える彼ら・彼女らは、お盆から多少ズレるのかもしれませんが、私達以上の夏季休暇を取っています。

 自分が仕事に出ているからという理由だけで、他者の休みを侵害しない事です。

 

 何故か、こんな当たり前の事を考える事が出来ない大人が、多いです。

 その電話1本が人の心を折る可能性は低いかもしれませんが、あなたが掛ける電話の1本1本が、その相手の心の許容量を犯していきます。

 

 その電話は本当に休日である今日掛けなければならない事でしょうか?

 一旦、考えて見て下さい。

 

 

 心の許容量を失ったあなたが、傷つけてしまう相手は、誰でしょうか?

 その相手とは、あなたが本来仕事以上に大切にしなければならない家族と、あなた自身です。

 

 仕事で抱えたストレスは、どうしても帰宅した後、家族に向いてしまいます。

 20代・30代で、能力が高く魅力的な人であれば、素敵なパートナーや可愛い子どもと生活を共にしている可能性が高いでしょう。

 安い給料の中、ストレスに囲まれ、仕事において成長する事もない中、家に帰り、その負の連鎖が、家族に向いてしまう事程、悲しい事はありません。

 

 

 

 あなたがケアマネでなくても、是非、この現状を認識して、応援して頂きたいです。

 ケアマネが「介護保険」の鍵である事は、間違いありません。

 ケアマネがいないと、デイサービスを利用する事も、ヘルパーさんを利用する事も、ベッドを借りる事も、出来ません。

 

 最も避けるべき事態は、誰も、ケアマネをやらない時代が来る事です。

 

 どんな方面からでも良いので、この現状を理解して、応援して頂けると、幸いです。