「‥俺は?俺にも何かコメントは‥」
「君はドラえもん。こみえもん、これからの活躍に期待してるよ。」
「‥ちっ3P‥マジで入るじゃねーか‥。まあ今さら決めたところでって感じだけどよ‥。ふん。」
「お、おい久保どこへ‥」
「外で練習だよ。今の感覚が手に残ってるうちにな。」
「‥俺にロン毛のフォローなんかやらせやがって‥。その結果が負けとか‥マジありえねー。‥でもいい経験になった。中学の時は点を取ることしか考えていなかった。初めて‥仲間をフォローする側の景色を見た気がする。‥そこだけは感謝しとくわ。今度はもっと勝てそうなプランを出せよ。」
「‥魚谷。」
「‥監督、さっきのドラえもんって、どういう意味ですか?」
「アイツの頭の中からは、信じられないような発想がポンポン出てくる。その規格外の発想は仲間に気付きを与え、可能性を与え、最終的に仲間のプレイを変えた。‥久保はきっと今日の3Pを忘れない。何度も何度も練習するはずだ。小峰の存在は、何かを変える。それこそ‥共に戦う仲間の未来さえも。」
『SECOND BREAK』試合後の小峰と監督、久保と小峰、魚谷と久保、そしてマネージャーと監督の会話です。
私は、サッカーをやっていた時、自分のトラップやパス、ドリブル等を通じ、チームのサッカーのレベルを上げる事を考えていました。
そのメッセージが、指導者やチームメイトには中々通じず苦労する事が多かったですが、それでも一瞬でもそのメッセージが形になった時の快感は、何物にも代える事が出来ない快感でした。
自分のプレイを通じ、チームメイトが気付きを得たり、可能性を感じる事が出来たり、プレイの選択を変える。
私は、そのような選手を目指していました。仕事というフィールドを変えた現在も、私の言葉や文章、非言語的コミュニケーション等を通じ、そのような存在になれたらと願っています。
基本的に、他人と過去は、変える事が出来ません。
しかし、自ら成長や進化、毎日からの脱却等を願う人達に、少しでも、気付きや可能性、選択を変える、きっかけになる事が出来れば、幸せであると感じています。
私はサッカーは不完全燃焼で終了してしまい後悔がずっと残っていましたが、このような形でその頃の願いが現在の私の願いと重なるのであれば、後悔以上の価値を感じる事が出来ます。