「弱い奴等に気を遣うのは、疲れるよ。ホント。」
「弱者生存。それがあるべき社会の姿さ。弱気を助け、強きを挫く。いいかい悟、呪術は非術師を守るためにある。」
「それ正論?俺、正論嫌いなんだよね。」
『呪術廻戦』五条悟と夏油傑の会話です。
先日、ある機関に問い合わせをすると「IDは何ですか?」と聞かれた為、答えました。
その後も名前、住所、電話番号等、内容ではなく、こちらの身分を確かめるだけの質問を次々にされ、それだけで5分が経過しました。
そこで、私は「これ、ここまで聞く必要はあるんですかね?」と伝えました。
これに対し、電話対応者は「決まりですので。」とだけ返してきました。
私は、この対応にとても不快な気持ちになりました。
もちろん、決まりである事は百も承知ですし、相手の言っている事は正論です。
しかし、相手にこちらの「早く終わらせて、解決したい。」「これいつまで質問されるの?」等という気持ちを察する能力があれば「決まりですので。」という返答にはならないはずです。
電話対応者は、正論を言っただけで、悪気はありません。
しかし、私がこの機関に良い印象を持つ事も、この機関から何かを購入したり、この機関に何かを協力する事はないと思います。
お客様が、買物をする時は、どのような時でしょうか?
それは、気分が良い時です。
高級店において、値段程の価値がない物を購入してしまうのは、販売員がお客様の気分を良くしている為です。
人は、自分の気持ちを受け止めて貰わないと、気分が良くなりません。
もし、電話対応者が「そうですよね。私もここまで聞く必要はないと思っています。その御意見を上司に伝えさせて頂きます。」等と私の気持ちを受け止めてくれたのなら、私はその機関に良い印象を持ちますし、この機関から何かを購入したり、この機関に何か協力をしたかもしれません。
正そうとするのではなく、理解しようとする事が大切です。
仕事において、一定以上の実績を残し続ける人は、この部分を理解し、実行しています。
私の印象ですと、全ての人がそうではありませんが、医師・弁護士・公務員、さらには何らかの精神疾患を持っている人等に、理解しようとするのではなく、正そうとする人が多いと感じています。
正義感の強い人は、学校において同じく正義感の強い教師に好かれる傾向がある為、学校においては良い成績を残しやすく、優秀な生徒として過ごす事が多いです。
しかし、社会に出てから、学校において優等生だった人が活躍出来なくなる事が思いの他、多いです。
その要因に、この正義感があるのではないかと私は分析をしています。
正義感では、良い仕事は出来ない事が、仕事の奥深い部分です。
好かれる人は、まずは「そうなのですね。」と相手の気持ちを受け止めます。
嫌われる人は、すぐに「それ違います。」と正論を言います。
正論では、人の心は動きません。
人の心を動かす人に、人もお金を集まってきます。