だいたいな他人に自分がどう思われようが、超どーでもいいことだぜ‥自分の力を信じてんのは、自分一人で十分ってことだ

 

 「だいたいな他人に自分がどう思われようが、超どーでもいいことだぜ…自分の力を信じてんのは、自分一人で十分ってことだ。」

 『SAKAMOTO DAYS』シンの言葉です。

 

 

 長野市の青木島遊園地が、たった1軒の住人から寄せられた「子どもの声がうるさい」というクレームで、取り壊された事が大きなニュースとなりました。

 このクレームを挙げたのは高齢者夫婦で、近隣する児童センターについても「遊戯室で遊ぶ子どもの遊ぶ声が気になる」と執拗に文句を言っていたようです。

 この公園を楽しく利用していた人もたくさんいるはずなのに、行政は声の大きいモンスタークレーマーに屈し、多くの市民の税金で作られた公園は、使う事が出来なくなりました。

 

 長野市若しくは日本の未来を担う子ども達の当たり前の楽しみよりも、たった1人のモンスタークレーマーの意見が優遇されてしまった事には、呆れてしまいます。

 この事例でも理解出来るように、苛烈なクレームを挙げてくる人は、高齢者等、時間を持て余している人である事が多いです。

 時間があるから、何度でも、何時間でも、クレームを言い続ける事が出来ます。

 

 これに対し、クレームを受ける人は忙しく働いている為、どこかでクレームの相手をする事が嫌になってしまいます。

 その結果、モンスタークレーマーの言い分が通ってしまいます。

 こうした理不尽は、今後も増加すると予想出来ます。

 

 

 私達、高齢者や障害者を対象にする介護の仕事は、モンスタークレーマーに遭遇する確率が非常に高い仕事です。

 厚労省は、利用者や家族からのハラスメントを、カスタマーハラスメントと呼んでいます。

 カスタマーハラスメントとは、顧客等からのクレーム・言動のうち、クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、要求を実現する為の手段・態様が社会通念上不相当なものであって、手段・態様により、労働者の就業環境が害されるものと定義されています。

 

 平成30年厚労省が調査したデータによると、過去1年間に利用者本人からハラスメントを受けた事のある人は、訪問介護66,2%、通所介護(デイサービス)79,3%、居宅介護支援(ケアマネジャー)48,8%という結果でした。

 また、過去1年間に利用者の家族からハラスメントを受けた事のある人は、訪問介護45、0%、通所介護46,1%、居宅介護支援37,2%という結果でした。

 

 利用者本人からのハラスメントには、たとえば、訪問介護でヘルパーが調理をした時の作り方が自分とは違うと言って叱りつける・通所介護の入浴介助中に介助者の身体を触る・ケアマネジャーに対し大声で自分の意見だけを押し付けようとする等が挙げられます。

 家族からのハラスメントには、たとえば、訪問介護でヘルパーがオムツ交換をする際家族が横に付きっきりで介助方法に逐一文句を言う・通所介護において他の利用者とトラブルになった時に自分の親等の落ち度には一切目を向けずその相手の利用者を辞めさせるように迫る・ケアマネジャーに対し「お前は気に入らないから、家に来るな。」等と一方的に怒鳴りつける等が挙げられます。

 

 

 高齢者を相手にした介護保険分野、障害者を相手にした障害福祉分野ともに、クレーマーやハラスメントの宝庫であるにも関わらず、クレーマーやハラスメントに対する対応が進んでいません。

 そのせいで、若くて有能な人物程、この業界に嫌気をさし、辞めていきます。

 2023年12月のケアマネジャーの有効求人倍率は、4,04倍となっています。

 全産業の有効求人倍率が、1,31倍である事と比較すると、上記の数字が異常である事が理解出来ると思います。

 

 介護業界ではいまだにクレーマーやハラスメントを言い続ける利用者・家族に対し、関係を構築する事が出来る人を、出来る人であるかのように考えている人が多数派です。

 そのように考える事も理解出来る部分はありますが、そのような考えが今後も横行するようであると、介護業界を離れる人は現在よりも増えていきます。

 私は、クレーマーやハラスメントはなくならないものであると考えています。

 

 それであるのなら、クレーマーやハラスメントを受けた介護で働く人がクレームを知らされる役所や地域包括支援センター・会社の管理者等が、クレーム・ハラスメントに対する正しい認識を持ち、正しい伝え方をしていく事が大切になってきます。

 多くの場合、クレームやハラスメントを受けただけでも精神的に辛く夜も寝むれないのに、区役所や地域包括支援センター・会社の管理者等の対応が正しい認識を持ち併せておらず、クレーム・ハラスメントを受けた人を責めたり、その人を孤独にするような対応をとっています。

 私は、クレーム・ハラスメントに対する対応方法を考え、行動していく事が、自分の使命の1つであると感じています。