…自信が欲しかった。何十年とキャリアを重ねたベテランですら、オーディションで役を勝ち取る声優の世界。負ける気はなか。この世界で戦い続ける覚悟だってある…
…だけど、自信が欲しかった。その覚悟の裏付けになる強い自信が。自分を信じるために他者からの評価を求めた。私はバカだ。その時点で、自分を信じていないと気付きもしなかった…
「演者としての能力の高さに、たいへん驚かされました。」
…だから、喜んでしまった。私は、まだ評価の土俵にすら上がってないと知らずに…
『あかね噺』阿良川ひかるの脳内言葉、阿良川一生の言葉、そして、再び阿良川ひかるの脳内言葉です。
性格とは、その人特有の感情、考え方、行動の傾向の中でも、持続性のあるものを指します。
たとえば、ある場面で特定の行動を取る時、行動や心の動きは人により異なり、AさんはAさんらしく、BさんはBさんらしく振る舞う等、個人差があります。
この個人差を説明する為に使われるのが、性格という概念です。
では、性格はどのように決まるのでしょうか?
大きく分けると、性格は遺伝により決まるという「生得説」生まれた後に過ごす環境により決まるという「経験説」に分けられます。
生得説は、フランスの哲学者デカルトにより提唱されました。
その後も生得説が優勢でしたが、優生学の「優れた遺伝子だけを後世に残す」というナチスの考え方に悪用され、第2次世界大戦以降は経験説が優勢となっていきました。
過去20年程で、遺伝と環境のどちらも影響をするという輻輳説や、遺伝と環境とが互いに作用し合う相互作用説という考えが定着してきています。
また、科学技術の進歩により、見た目や知能、病気のなりやすさ、そして、性格までもが、50%以上もの確率で遺伝による影響であるという事も判明してきました。
広島大学が行った研究では、性格は、遺伝と環境の両方から影響を受けて形成される事が証明されています。
情緒安定性・外向性・開放性・誠実性等の性格は50%が遺伝、うつ傾向・協調性等の性格は40%が遺伝により決定されます。
また、環境とは家庭内環境ではなく、学校や職場等の環境を指します。
つまり、家庭が性格に与える影響は、極めて低いのです。
その中でも、家庭内環境が大きく影響する性格もありました。
その性格とは、言語性知能と学業成績です。
言語性知能は60%、学業成績は20%が家庭内環境により決定されます。
つまり、頭の良さは、家庭内環境によりアプローチが可能なのです。
そして、遺伝の影響を最も受けにくい性格が、自尊感情でした。
自尊感情、自己肯定感とも表現出来るこの性格は、遺伝の影響は30%しか受けません。
ここ2,3年私の下に相談に来る自閉症(ASD)注意欠陥多動性障害(ADHD)等を持つ子の親も、自己肯定感を上げてほしいという希望を持たれている事が多いです。
私は、自己肯定感は最強の鎧であると考えています。
能力が高く自信がある人でも、必ず自分以上の能力を持つ人に出くわし、自信を失います。
しかし、自己肯定感が高く根拠のない自信を持っている人は、自分以上の能力の人に出くわしても、自信を失いません。
何故なら、その自己肯定感には根拠がないからです。
もちろん、ずっと根拠のない自己肯定感を持っているだけでは、いけません。
最初は根拠のない自己肯定感で進み、その中で実績を出していき、その自己肯定感に根拠をつけていく事も必要です。
…自分で自分を認めるために、勝ちたい。何が何でも…
『あかね噺』阿良川ひかるの脳内言葉です。