ほんとだったら、一番大事にしてくれるはずのお母さんが、私のことぶったり捨てたりしたから、お母さんにそんなことされる自分って、一体なんだろうって‥自分の価値がわからないんだよ。人付き合いも、うまくいかない。他人がずっと怖いし、私なんかとは別の世界に生きてるんじゃないかって、そういう思い込みで、大事にしかった人のこと切り捨てたりしてた4

 

 「私ずっと生き辛かったんだよ。叔父さん達は、実の子でもない私を育ててくれて、感謝もしてるけど、ずっと埋められない寂しさがあった。なんで私には、お母さんがいるのに、気にかけてすらもらえないんだろうって。」

 「だから、こうやって会いに来たんでしょ。仲良くしようと思ってるのに、変なこと言わないでよ。」

 

 「今またお母さんの気まぐれで、中途半端に優しくされたって意味ない。昔に戻って、一から私のこと、ちゃんと愛してよ。あの時の私がして欲しかったこと、あの時の私にしてよ。」

 「そんなこと出来るわけないじゃん。何言ってんの?」

 「ほんとだったら、一番大事にしてくれるはずのお母さんが、私のことぶったり捨てたりしたから、お母さんにそんなことされる自分って、一体なんだろうって‥自分の価値がわかんないんだよ。人付き合いも、うまくいかない。他人がずっと怖いし、私なんかとは別の世界に生きてるんじゃないかって、そういう思い込みで、大事にしたかった人のこと切り捨てたりしてた。」

 『明日、私は誰かの彼女』雪と雪の母の会話です。

 

明日、私は誰かのカノジョ」おすすめ漫画コーナー |ソク読み

 

 

 あなたが、幸せであると感じる場面を、想像してみてください。

 その場面とは、人間関係が上手くいっている場面ではないでしょうか?

 

 あなたが、不幸と感じる場面を、想像してみてください。

 その場面とは、人間関係が上手くいっていない場面ではないでしょうか?

 

 「全ての悩みは、人間関係にある。」

 『嫌われる勇気』でも知られる、アドラーの言葉です。

 

 

 従来の「心理学」は、病んだ人や不幸な人を集めて「何が問題なのか」を研究してきました。

 これに対し「ポジティブ心理学」という分野においては、幸せな人を集めて「何が上手くいくのか」を研究しています。

 幸せになりたければ、幸せな人から学ぼうという姿勢が「ポジティブ心理学」です。

 

 2002年ペンシルベニア大学とイリノイ大学が、世界で初めて「幸せな人」の研究を行いました。

 そこで、出た結果は、実にシンプルなものでした。

 「幸せな人」と「不幸な人」の違いは、「良い人間関係」があるかどうかだったのです。

 「幸せな人」は、100%「良い人間関係」を持っていました。

 

 

 あなたの、周りを見渡してみてください。

 「良い人間関係」を構築し、楽しく暮らしている人もいるでしょう。

 しかし、その一方、いつも楽しくなさそうな表情で過ごしながら、出る言葉はネガティブなものばかりで、いつも何かしらの問題を抱えている人がいませんか?

 

 私自身は、高齢者やその家族を対象にしたケアマネジャー(ケアマネ)、障害者やその家族を対象にした相談支援専門員、さらにはカウンセリング等の仕事をしている為、上記の様な人に、度々遭遇します。

 

  ★子ども時代に親との愛着関係を構築する事が出来なかった

  ★夫または妻から、モラハラを受けている

  ★上司からのパワハラ

  ★ママ友からのマウンティング

 

 挙げ出すと、キリがありません。

 これらは、どれも異なるシチュエーションのように見えますが、実は、トラブルが生じる「人間関係」や、面倒な「人間関係」は、全て根本が同じなのです。

 

 

 トラブルが生じる「人間関係」や、面倒な「人間関係」は、皆、同じパターンで成り立っています。

 どの場合も①犠牲者②迫害者③救済者の3者が登場人物です。

 1人1人が悪いという事もありますが、それ以上に、関係性が悪いのです。

 

誰の心にも潜む「ゆるサイコパス」、自分がうっかり加害者や被害 ...

 

 

 「自分の所に受診に来る人は、大体人間関係に困っていて、全員がこのトライアングルにあてはまっている。」

 1968年精神科医のカープマンは、この悪い人間関係を「DDT」(恐怖のドラマトライアングル)と名付けました。

 

 お伽話やアニメ、映画等は、上記の「恐怖のドラマトライアングル」で成り立っている事が、多いです。

 わかりやすいのが『ドラえもん』でしょうか。

 

  ★のび太:犠牲者

  ★ジャイアン:迫害者

  ★ドラえもん:救済者

 

 『ドラえもん』では、のび太は、ジャイアンにいじめられると、いつもドラえもんを頼ります。

 ドラえもんは、ポケットから道具を取り出し、のび太の問題を解決します。

 

 一見、問題がないように見えますが、上記のやり取りには、大きな問題があります。

 ドラえもんが、道具で問題を一時的に解決しても、暫く経つと、のび太は再びジャイアンにいじめられる事を繰り返すのです。

 

  ★のび太:犠牲者

  ★ジャイアン:迫害者

  ★ドラえもん:救済者

 

 この関係性では、ドラえもんが、どんな道具を出しても、状況は、何も変わらないのです。

 

 

 そして、さらに怖い事に「恐怖のドラマトライアングル」は、役割を超えて、無間地獄の様に、ループし続けるのです。

 

  ★シンデレラ:犠牲者

  ★継母・姉:迫害者

  ★王子様:救済者

 

 『シンデレラ』は、上記の様な、関係性が成り立っています。

 『シンデレラ」は、ハッピーエンドで終わりますが、その続きを想像すると、不幸が無間地獄の様に、ループし続けている可能性が高いです。

 

 「救済者」だった王子様は、時が経つ中で、支配的になり、いつしか「迫害者」に変わっているかもしれません。

 恋は、一瞬の麻薬のようなものですしね。恋という麻薬から目覚めてからが、その人の本質が現れます。

 

 「迫害者」となった王子様から逃げるように、シンデレラは新たな「救済者」を探し始めるかもしれません。

 そこで、出逢った男性が「救済者」となった場合、おそらく、シンデレラとその男性は恋に落ちるでしょう。

 これを王子様の視点から見ると、浮気をされた事になり、王子様が「犠牲者」シンデレラが「迫害者」となります。

 

 

 この様に「恐怖のドラマトライアングル」は役割を変えながら、無間地獄の如く、ループし続けます。

 

 そして「恐怖のドラマトライアングル」に登場する人物は、全て人のせいにするという特徴を持っています。

 意外に思われるかもしれませんが「救済者」も、その根本では、人のせいにしながら生きている人である事が多いのです。

 

 この続きは、また後程。