「ぼってるんじゃねえ。持ちつ持たれつなんだよ。海も陸も見かけはいいがな、この辺りはスッカラカンなのさ。」
『紅の豚』ポルコの言葉です。
アメリカ・カリフォルニア州には、ラッコが住んでいます。
このラッコは、この地域の魚を食い荒らすとされ駆除され、その数を大きく減らしてきました。
これで魚が大量に獲れるようになると漁師は思いましたが、そうはなりませんでした。
むしろ、逆に魚がいなくなってしまったのです。
何故でしょうか?
この地域では、ジャイアントケルプというコンブの仲間の森が広がっていました。
この森を住処として、多くの魚やウニ等の生物が生息していました。
魚を食い荒らすとされたラッコを駆除すると、確かに魚を食べるものはいなくなるが、同時にウニを食べるものもいなくなります。
すると、ウニが大量に増え始めました。
ウニは、ジャイアントケプルの根を食べます。
大量に増えたウニは、ジャイアントケプルを食べ尽くし、終には森が消えてしまいました。
すると、魚達の住処がなくなってしまいます。
次第に、魚達も姿を消していきました。
このように、ある1つの種が消える事で「生態系」全体が大きくずれてしまう事があります。
そのような種は「キーストーン種」と呼ばれます。
生態系とは、ある場所に生息している様々な種の生物と、水や光・空気・土壌等の非生物環境をひっくるめたものを言います。
生物達は、互いに何らかの関係を持ちながら暮らしていますが、その関係性を把握する事は非常に難しいです。
その為に、ラッコの例の様な結末を生んでしまいます。
これは、私達の人生にも当てはまるのではないでしょうか?
不必要と思われていたものが、実は必要であったり。
逆に、必要と思われていたものが、実は不必要であったり。
実は、現在日本の水族館からラッコが消えようとしています。
現在、日本でラッコが見れる水族館は2カ所しかなく、ラッコは3頭しかいません。
愛すべき存在であるラッコ。
私は、水族館にはラッコがいてほしいと願っています。