アイツはセッターを信じとるんやない。ただ思っている。上がってくると思っている。お前は上げるやろ?って

 

 ‥くそ、あと5㎝。イケる高さだろ。もっと跳べよ。届けよ。クソ‥。

 「文句を言えよ。」

 「文句?なんで?次もくれ。」

 ‥影山には、もう怖いモンなんて無くなったと思ってた。けど、自分を極限に追い込んで来んのは、敵だけとは限らない。‥

 ‥「次もくれ」低かろうが、短かろうが、ネットに近かろうが、セッターが全力で上げたものなら、全部。感動したで翔陽くん。‥

 『ハイキュー』影山の脳内言葉と影山と日向の会話、田中の脳内言葉、宮侑の脳内言葉です。

 

 

 6月21日は、日向翔陽の誕生日でした。

 「これ、どこで買えますか?」

 昨年JUMPSHOPにて、日向のバースデイグッズを購入するには疑問を感じてしまうような80代程のおばあちゃんが私に話しかけてきました。

 これを指す紙を見ると「のるキャラ×3、アクリルスタンド×3、缶バッジ×2」と書かれていました。

 話を聞くと、孫に頼まれたそうです。

 開店前60人程の列が出きており、地面に記載された順番に並ぶ必要がある為、その旨を伝え「わかりました。」と言った矢先、おばあちゃんは60人程の列をごぼう抜きし、JUMPSHOPの自動ドアの前に陣取ってしまいました。

 その後も、何故か『鬼滅の刃』炭次郎ののるキャラをカゴに入れていたり、『ONEPICE』ルフィの缶バッジをカゴに入れていたりしており、昨年の日向バースデイは、おばあちゃんの買物支援となってしまった事も、良き思い出です。

 

 

 80代のおばあちゃんにとっては、日向推しが集まる若者ばかりの熱い空間は、異世界のようなものであったと思います。

 孫の為に、異世界に踏み込んだおばあちゃんを、私は肯定したいです。

 影山は日向がいたから、日向は影山がいたから、お互いを高め合い、頂きの景色を目指す事が出来ました。

 これは、影山が、日向が、異世界に足を踏み入れる事を何の躊躇もしないで、次々に挑戦を重ねてきた為であると私は感じています。

 隣に何の躊躇もなく、息をするように異世界に足を踏み入れ、挑戦を続ける奴がいれば、自分も何の躊躇もなく、息をするように異世界に足を踏み入れ、挑戦を続けるようになるものです。

 人は意識をしないと「現状を変えたくない。」という現状維持バイアスが働きます。

 しかし、現状維持をしていては、成長する事も、結果を出し続ける事も、なりたい自分になる事も出来ません。

 世が無常である事は自然の摂理である為、人も変化していかないと、成長する事も、結果を出し続ける事も、なりたい自分になる事も出来ない事は自然の摂理なのです。

 

 

 ‥ネット超える‥

 ‥翔陽は本当に容赦が無いね‥

 ー負けてたまるか。負けてたまるか。コイツに負けてたまるかー

 「ハッ」「何なん。」

 「アイツはセッターを信じとるんやない。ただ思っている。上がってくると思っている。お前は上げるやろ?って。同情するで飛雄くん。エライおっかない相棒持ってもうたな。」

 時に思うという特別ではない感情は、信じるという特別な感情を飛び越えます。