「11年間善戦をする事でしか満足する事が出来なかったミラニスタが夢を見ていい瞬間です。」
11年振りのスクデットを獲得したミランの試合を実況した北川さんの言葉です。
マドリード、ロンドン、パリ、そしてミラノ。
ヨーロッパの魅力的な街には、魅力的で強いフットボールチームが似合います。
インテルとミランが再び、ヨーロッパの舞台で主役を争う事が出来る日をセリエA推しとしては心待ちにしています。
今シーズンのチャンピオンズリーグにおいて、ミラン、インテルともにリヴァプールと戦う事が出来る事を証明する事が出来ました。
戦う事が出来る事を証明した後は、勝利をするだけです。
レオンやトナーリ、メニャンが称えられる事が多いミランですが、私はべナセルが影のMVPであると感じています。
どの試合でも淡々と自分の仕事をし続けていたべナセルが、相手選手を惹きつけ、味方が次の初動を取りやすいパスを繋ぎ続けた事で、レオンやテオが試合を決める活躍が出来ました。
プレミアのMVPがベルナルド・シルバではなく、デブライネに決まった事も納得出来ませんが、トナーリやケシエよりも、べナセルが1年を通じてミランの攻撃を支えていました。
パリがリーグアン優勝を決めた試合、ウルトラスと呼ばれる熱狂的なパリサポーター達が後半35分になるとスタジアムを去るという、優勝を決める試合では異例な光景となりました。
その理由の1つが、メニャンを始め、有望なユース出身選手がいるにも関わらず放出してしまい、彼らが他のチームで活躍をしている事に対する経営陣に対する抗議でした。
古くはマドリー銀河系軍団が抱えた課題ではありますが、世界を代表するビッククラブには仕方のない部分があります。
史上最強であったペップバルサのように、メッシ・シャビ・イニエスタ等、チームの主力であり、バロンドール候補3選手が全てカンテラ出身である事はチームの理想ではありますが、これはその後にも存在しない奇跡の成せるものです。
パリのようなヨーロッパチャンピオンを狙うクラブには、即戦力とともに、チームにお金を運んでくれる選手が求められます。
有望な若手もパリに留まり、試合に出場出来ないよりも、他のチームに行き、試合に出場する方が自らの未来を切り開く可能性が高まります。
そんな現銀河系軍団であるパリですが、キンペンべ等、ユース出身の選手がチームの主力となっている側面もあります。
18/19シーズンのチャンピオンズベスト16ユナイテッドを圧倒していたパリですが、キンペンべのハンドによるPKにより、敗退してしまいました。
個人的には、このシーズンのパリを最も強く感じており、その失敗をキンペンべが乗り越え、チームの主力となっている姿を観ると喜びを感じてしまいます。
そんなパリが、7月日本に来ます。
私が中学生や高校生の頃には、毎年夏にマドリーやバルサ等のチームが日本に来る事が当たり前になっていました。
ジダンがGK相手に跨ぎ、ロウウジーニョがエラシコをし、ヨーロッパでしか観る事が出来ない彼らのプレイを日本で観れた事に感動した事を覚えています。
しかし、日本の経済力が落ちるとともに、ヨーロッパのビッククラブが日本に来る事はなくなってしまいました。
世界一のクラブチームを決める大会も、いつの間にか日本で開催されなくなっていました。
世界における日本の経済的な立ち位置を図る方法は複数あると思いますが、ビッククラブが日本に来るかどうかも、日本の経済的立ち位置を図る上での指標になります。
エムバぺの残留も決定し、来シーズンも世界一のスター軍団である事は間違いないであろうパリ。
ヨーロッパ王者への第一歩を日本から踏み出す事は、フットボールファンとしては嬉しい限りです。