「しっかり仕事をしたようだね。市川くんは。」
「はい。今度は、俺の番っす。」
「緊張してるな。古橋くん。大丈夫だよ。君と市川くんには、大怪獣相手に十分立ち回れる実力を身に付けさせたから。」
「わかっています。ちゃんとそれを発揮しないとー‥。」
「古橋くん。僕はね、あらゆる要素が下振れした時に出る最低限の結果。それを実力って呼んでる。」
「しっかり緊張して、失敗して、安心して下振れしてきなさい。それで十分に君は通用するよ。さぁ行こうか。」

『怪獣8号』緒方隊長と古橋の会話、そして、緒方の言葉です。
♦サンシーロでの伝説
2戦合計7対6。
インテルVSバルサの試合は、歴史に残る一戦となりました。
ベスト8パリVSヴィラの試合も、ヴィラの逆転劇に期待を膨らませましたが、あと一歩届きませんでした。
インテルは、そのあと一歩を、届かせる事が出来ました。
私は、経験という言葉は、あまり好きではありません。試合に勝利する事、試合で活躍する事を経験という一言で片づけるのは、あまりに稚拙であると感じているからです。
しかし、あと一歩を、ヴィラが届かず、インテルが届くという現実に直面すると、経験、否、チーム、そしてファン・スタジアム等の歩みが、命運を分けたと言わざるを得ません。

歴史に残る一戦が、終了した後、泣いている男が、2人いました。
インテルのアチェルビと、バルサのラフィーニャ。
どちらの選手も、私にとっては、親しみのある選手です。
アチェルビは、私と同じ歳であり、ラツィオ時代から10年以上観続けてきた男です。
ラフィーニャは、バルサが来日した時、バルサの選手の中で、最も悔しがり、最も本気でプレーしていた男です。
「あ。」
「古橋くん!?ホントに下振れしちゃった!!」
「隊長が余計なフラグ立てるからですよ。」
「けど、ここから逆転するのが彼ー‥古橋伊春だ。」

『怪獣8号』古橋の戦いの一幕です。
♦リーグを優勝するには既存価値、チャンピオンズを優勝するには付加価値
仕事において、あなたが、特別な存在になるには「付加価値」をつけていく事が、必要です。
否、あなたの存在を「付加価値」に魅せる技術と表現した方が、正確でしょうか?
☆既存価値:想定内の価値
★付加価値:想定外の価値
私は「既存価値」に重きを置く派です。
1月だけ会社史上最高の売上を達成する人よりも、10年間会社の最低限のノルマを達成し続ける人の方が、私は、信頼出来ます。
筋トレでも、勉強でも、ブログでも、10年間何かを継続し続けてきた人を、私はリスペクトします。
インテルVSバルサ
インテルにおいて、ラウタロが得点を決める事やチャルハノールがゲームをコントロールする事は、想定内であり「既存価値」です。
これに対し、アチェルビがあと一歩を届かせる同点弾を決めた事や、フラッテージが決勝弾を決めた事は、想定外であり「付加価値」です。
アチェルビは世界水準の能力はなく絶対的なレギュラーではありませんし、フラッテージは常にベンチからスタートする選手です。

チャンピオンズで優勝を狙うチームの監督や経営陣は、目の前の試合だけではなく、1年を通じて、チームを育成していく必要があります。
インテルの監督シモーネは、選手を固定化する傾向があります。
想定外の「付加価値」の活躍をする選手になる為には、条件があります。
それは、1年を通じて、チームの一員として、活躍をする事です。
勿論、常にスタメンで試合に出る必要はありませんが、途中からでも、試合に出場する。監督からの「信頼している」というメッセージを感じ合える関係性にある事です。
この為、11人が試合に出て戦うサッカーにおいても、20人前後が、常に試合に出ている状態を維持する事が必要です。
「付加価値」になるのは、常に試合に出ている11人以外の選手だからです。
この視点を、日本の子ども達を教える指導者にも、持って頂きたいものです。
インテルがバルサに劇的な勝利する事が出来たのは、想定外の「付加価値」をつける事が出来たからです。
…「君で3例目だ。僕と同じで、特殊な脳の構造上、完全解放状態を継続的に維持できない。」…
…「そのかわり、瞬間に発揮する爆発的な戦闘能力は、他を圧倒する。」…
…「ごく短いゾーン状態を意図的に発生させる戦闘法を教える。マスターできれば、おそらく君の瞬間的な戦闘能力は、市川くんの力(それ)を上回る。」…
「僕が天才四ノ宮ヒカリに対抗するために生み出した、苦肉の戦闘法さ。」

『怪獣8号』緒方の古橋に対する言葉です。
♦「付加価値」は受け取る人により変化する
☆電車が時間通りに来る
★夜女性が1人で歩いていても安全
☆トイレがきれい
上記のような事は、私達日本人にとっては、普通の事です。
普通の事なので「既存価値」です。
しかし、外国人観光客にとっては「付加価値」になります。
私は、若者に「1人暮らしをする」「恋愛をする」「漫画・小説・映画等にたくさん触れる」事の3つを、お勧めしています。
これに加え、お金が掛かるものの、10代後半~20代前半に「複数の海外の国に行く」事を、お勧めしたいです。
その理由は、海外に行く事で、日本の「既存価値」「付加価値」を感じる事が出来るからです。
「既存価値」「付加価値」の2つを育てていく事で、あなたの成功は、約束されます。