「3,000回愛している。」
『アベンジャーズ/エンドゲーム』トニー・スタークが娘から贈られた言葉、そして、娘に贈った言葉です。

今まで映画館で観た映画の中で1番面白かった映画は『アベンジャーズ/インフィニティ―ウォー』でした。
衝撃のクライマックスに続く『アベンジャーズ』シリーズ最後の物語となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』程、期待に胸を膨らませた作品は、これまでにありませんでした。
しかし『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観ての感想は「え?」というものでした。
正直、落胆した事を記憶しています。
ただ、2019年から5年後再び『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観ると、映画館で観た時とは、異なる感想を持つ事が出来ました。
私自身の置かれる立場の変化もあった為か、アイアンマン・キャプテンアメリカ・ソー等、それぞれのキャラクターが家族と向き合うシーンの連続である『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、史上最高のアクション映画と思っていた『アベンジャーズ』シリーズが、家族を描く物語である事に、気付かせてくれました。
2008年『アイアンマン』公開から2019年『アベンジャーズ/エンドゲーム』までの11年間、各キャラクターへの愛着が積み重なったからこそ、各キャラクターが紡ぐ家族への物語に、自然と涙が零れます。
メッシ・ロナウドの時代とともに、MCUアベンジャーズ時代を共に生きる事が出来た事は、何よりもの贅沢であったと再認識しました。

「置いていくよ!」
動物園や水族館・遊園地、否、近所のスーパーに行った時でさえ、よく聞くお母さん・お父さんの子どもに対する言葉です。
「帰りたくない」という子どもに対し、家に帰るように子どもに行動を促す言動である事は理解出来ますが「置いていくよ!」は、なるべく使わない事をお勧めします。
即効性はあるものの「置いていくよ!」という言葉は、子どもの心に負の影響を及ぼします。
その理由は、その言葉が「ダブルバインド(二重拘束)」を及ぼすからです。
子どもは「置いていかれるかもしれない」という不安と同時に「でも、実際には置いていかれない」という矛盾した状況に置かれます。
この矛盾した状況に、子どもは、混乱し、ストレスを積み重ねていきます。
★親に不信感を抱く
★自己肯定感が下がる
★他者にも使ってしまい、自分の思う通りに行動させようとする
「ダブルバインド」によるコミュニケーションは、子どもに、上記のような世界観・言動を取らせる事に、繋がってしまいます。
実際には、フリであっても、子どもにとっては、言う事を聞かないと見捨てるよと言われているも同然であるという認識を持つ事が必要です。
子どもにとって、これは大きな恐怖となります。
親の言う事が聞けない程、何かに熱中しているという事は、夢中になる力や好きな事に没頭出来る力があるという事です。
事前に帰る時間を伝える。
帰る時間を伝える時は、目線を合わせ、子どもの身体に触りながら、注意を親に向けて伝える等の工夫をしてみましょう。
それでも「帰りたくない」と言うのであれば「置いていくよ!」等と脅すのではなく、何も言わず抱っこして連れて行きましょう。
アメリカの心理学者バウムリンドは「親が子どもに対してどういう対応をするのか」を研究し、子育ての4つのスタイルを導き出しました。
①民主型:厳しくも温かい養育スタイル
②権威主義型:厳しいだけで温かさがない養育スタイル
③消極・受け身型:温かく受け入れるが厳しさはない養育スタイル
④無関心型:厳しさも温かさもない養育スタイル
①民主型は、子どもの気持ちや考えを尊重しながらも、ルールの理由も示し、必要な制限も設定します。
罰せず、教えていきます。
子どもは、能力や感情面でポジティブな影響を受け、逆境に立ち向かう力を育む事も出来ます。
②権威主義型は、理由を伝えずに、ルールを押し付け、罰を与えます。
一見、子どもは、順応な子どものように見えます。
しかし、自分で考える事が出来ず、他者をコントロールする人になっていく傾向が高くなります。
③消極・受け身型は、子どもの感情・要求を優先し、対立を避け、ルールを施行しません。
子どもは、自己評価が高くなります。
しかし、衝動的で、依存的な人になっていく傾向が高くなります。
④無関心型は、子どもの気持ちに関心を示しません。
ルールや制限も設けません。
子どもは、感情的・社会的な困難を抱え、問題行動を起こす傾向が高くなります。
これは、子育てだけではなく、パートナーとの関係・仕事上の関係・友達との関係等、どのような人間関係においても、当てはめる事が出来ます。
あなたの他者への対応が、どれに該当するのか、確かめてみましょう。
確かめてみて、改善が必要であれば、改善をしていけばいいのです。
子育ては、不毛な時間が、延々と続くかのような錯覚に囚われてしまいます。
アニメや映画を楽しむ事も困難になりますし、ゆっくり食事をする事自体が夢のような事のように思えてしまいます。
子育ては、素晴らしい事ばかりではありません。
それなのに「3,000回愛してしまう。」
それが、子育てなのかもしれません。