「よく勉強してるな。」
…志ん太兄さん、違うんです。それしか出来ないんです…
…親の都合で転校が多くて、どうせ転校するし‥って、人付き合いが億劫で、本や勉強に逃げてきました…
…だから、大学にも居場所はなかった。僕より賢くて、何でも出来る人を目の当たりにして、惨めで情けなくて…
「お!!いい本読んでるね。知ってる?その本、落語がモデルなんだぜ。」
…あの時、落語と出会わなかったら、どうなっていたか…
…大学を辞めて、落語家になった今でも、人付き合いは苦手で、一回り下の妹弟子に心配されて、悩む弟弟子に声も掛けられず、外付けの自信に縋っています…
…変わりたくても、人はそう簡単に変われない。ならせめて、胸を張って言いたい。積み重ねた知識が、僕の武器だと…
『あかね噺』阿良川こぐまの回想です。
![あかね噺】阿良川こぐまは理論派の落語家?プロフィールを徹底紹介! - さぶかるわーるど](https://sabukaru-world.com/wp-content/uploads/2023/05/akanebanashi-koguma-arakawa-rakugo.jpg)
「外向性」と「協調性」が高い。
学校において、教師に気に入られて、所謂、優秀とされる生徒は、決まって上記の2つを持ち併せた特性を持っています。
否、大学を卒業して、1度も社会に出た事がない「子ども大人」である教師にとっては、上記のような「ステレオタイプ」でしか子どもの特性を図る事が出来ません。
さらに、言えば、いまだに兵隊を大量生産するような教育を行っている日本においては、社会に出て兵隊として働くには「外向性」と「協調性」が高い人の方が、コントロールしやすいという側面もあります。
あなたが、あなたの子どもと一緒に、動物園に出掛けたとします。
動物園から帰宅した時に、思い出す事が出来る、あなた以外の子どもの姿は、殆どが「外向性」が高い子どもではないでしょうか?
「外向性」が高い子どもは、知らない人とでもコミュニケーションをする事に喜びを覚える為、若しかしたら、見ず知らずのあなたの子どもやあなたに話しかけてきたかもしれません。
また、動物園において、大声で泣いている子どもや走り回っている子どもは、多くの確率で「外向性」の高い子どもです。
自分の子ども以外で、記憶に残る見ず知らずの子どもとは、上記のような「外向性」の高い子どもです。
しかし、不思議に感じませんか?
世の中には「外向性」の高い子どもばかりがいるわけではありません。
「外向性」の高い人と「外向性」の低い人の割合は、50%である為、子どもの50%は「外向性」が低い、つまり「内向的」な子どものはずです。
ただ、誰も「内向的」な子どもを記憶していません。
私は、自分自身が95%の人よりも「内向的」な性格である為、目立たない「内向的」な子どもにも、光を与えたい、否、活躍出来る場所を提供したいと考えています。
「内向的」な子どもは、自分の考えや価値観・感情等といった内面的な世界に、深く入り込みます。
「外向的」な人には信じられないかもしれませんが「内向的」な子どもにとっては、1人の静かな時間が楽しいのです。
「内向的」な子どもは、大人数よりも、少人数で過ごす事を好みます。
注目される事を嫌がり、初対面の人と打ち解けるまでには、時間が掛かります。
「外向的」な子どもは、広い交友関係を好み、様々な事に興味を示します。
これに対し「内向的」な子どもは、少数の親しい人と付き合う事を好み、何か1つの事に集中する事を楽しみます。
しかし、一緒にいて心地良く感じたり、ある話題に夢中になったりすると、とてもオープンでお喋りになります。
その姿を知る「内向的」な子どもの親は「あんなに楽しそうにしているのに、何故他の人の前だと黙り込んでしまうんだろう?」と少し残念な気持ちになります。
どの親も、他者の前では、活発で魅力的な子どもの姿を見せたいと思うものです。
「内向的」な子どもは、新しい活動や集団に参加する前に、観察する事を好みます。
親は、観察している事を認め、時に、自分の意見を言えるようにサポートをしていく必要があります。
「外向性」が高い事による優位性が注目されがちですが「内向的」な事による利点も、たくさんあります。
まず「内向的」な子どもは「外向的」な子どもと比較し、あまり手が掛かりません。
否、手が掛からないというわけではなく、外出先で泣きまくったり、走りまくったりする事が殆どない為、幼少期から外食に連れて行ったり、博物館・美術館・図書館等、静かな場所に連れて行き、一緒に食事や芸術を楽しむ事が出来ます。
また、他者の考えや価値観を尊重する傾向も強いです。
学校では、それ程人にまとわりつかず、過度に騒いだりしません。
仲間や流行に影響されにくく、自分なりの考えや価値観を、持とうとします。
その為、物事を深く考えてから決断し、行動をしていきます。
これに対し「外向性」が高い子どもは、小学生・中学生となってくると、問題を起こしたり、問題に巻き込まれる可能性が高くなります。
社交的な小さな子どもは愛らしいですが、年齢を重ねるにつれ、その愛らしさが、親の悩みの種となっていきます。
同年代の仲間と一緒にいる事を好む為、周りの影響を受けやすいのです。
さらに、その社交的な性格から、他人の評価を強く気にする傾向があります。
「静かな生活の単調さと孤独が創造的な精神を刺激する」
アインシュタインの言葉です。
「内向的」な性格であるアインシュタイン同様「内向的」な人は、創造的で、思慮深く、より意識的である事が多いです。
1人の人と深く繋がる事を好み、量より質を重視します。
また、プライベートを大切にする傾向があり、自立心も旺盛です。
「内向的」な子どもを、新しい事に挑戦させるには、説得が必要になる事があります。
「内向的」な子どもは、自分の居心地の良い場所を好む為、初対面の人や慣れない場所では、疲れてしまいます。
その為、親が少し背中を押さないと、未知の世界を探検したり、知らない人に逢ったりしたがりません。
社会的な場面は「内向的」な子どもにとって、ストレスとなってしまうのです。
では、親はどうしたら良いのでしょうか?
休息する時間を提供しましょう。
「内向的」な子どもは、他人と接する事で消耗する為、活動後には多くの休憩時間を必要とします。
1人で過ごしたり、親と子どもだけで過ごす時間を、意識的に作っていきましょう。
「内向的」な子どもは、十分な休息が取れないと、気持ちに余裕がなくなってしまいます。
また「内向的」な子どもは、物静かである為に、大人に見過ごされる事が多いです。
「外向的」な子どもの様に、注目される事は少なく、自ら発言する事もあまりありません。
「外向的」な子どもと比較し、親や教師との関わりが必然的に少なくなってしまう為「大人をあまり必要としない子ども」という印象を与えてしまいます。
しかし「内向的」な子どもも、子どもです。
大人からの支援を必要としており、過度に接する必要はありませんが、親や教師と深い関係を築きたいと願っています。
「内向的」な子どもは、自立心が旺盛で自分で考える事が出来る為、周囲の影響を受けにくく、仲間からのプレッシャーよりも自分の考えや価値観を大切にします。
これにより、指示に従う事に、疑問を感じる場面が生じます。
自分で考える事が出来、幼い頃より自分の価値観を形成出来る為、その指示が、根拠に欠けていたり、もっと良いやり方があったりすると、たとえ教師の指示であっても、素直に従う事が出来ません。
私自身も思い当たる場面が、山程あります。
私は、これは「内向的」な人の強みであると思いますが、大学を卒業して1度も社会に出ておらず、若い頃から「先生」としか呼ばれてこなかった「大人子ども」である多くの教師にとっては、可愛げがなく、素直でない生意気な生徒と評価されてしまう可能性が高いです。
欧米であれば評価される上記のような「内向性」の強みも、残念ながら日本においては評価が下がるという方向に働く事が多いです。
教師の言う事をただ聞く「外向性」の高い子どもは、私から見ると何も考えていないだけの子どもに映りますが、日本における学校生活、その後の会社員・公務員等として生活をしていく上では生きやすいのかもしれません。
その為「内向的」な子どもは、自分は何故他の子ども達のように出来ないのか、自分は変なのか、何か問題があるのか等という疑問を持つようになります。
ここで必要となるのが、親の支援です。
「内向的」な子どもの才能を開花させるには、親の支援が不可欠です。
この続きは、また後程。