「ちょっと待って!!!戦えばいいってもんじゃないわ!!傷なら平気。腕をかすっただけよ!!」
「だったら‥上陸はしませんから‥‥!!医師を呼んで頂けませんか!!仲間が重病で苦しんでます。助けて下さい!!」
「ビビ‥‥!!!」
「あなたは‥船長失格よ。ルフィ。無茶をすれば、全てが片付くとは限らない‥!!!」
「‥‥。」
「このケンカを買ったら‥ナミさんはどうなるの?」
『ONEPIECE』ビビの言葉と、ルフィとビビのやり取りです。
『ONEPIECE』の物語は、殆どの場合、ルフィの衝動性の高さから、敵の真ん中に突っ込み、敗北若しくは捕らえられ、そこから仲間がルフィを救出し、再びルフィと仲間達が敵に挑むという展開を辿ります。
‥子どもは、目上の人を敬う事を学ぶ必要がある‥
‥子どもは、大人の指示を聞く必要がある‥
‥子どもは、自分の悪い行動の結果を学ぶ必要がある‥
上記の事を、子どもが遂行出来ない場合、世の中の多くの大人は、親が叱る必要があると考えます。
若しくは、高齢者を中心に鞭を惜しめば、子どもが駄目な子に育つと考える人も、多いです。
‥悪い事をすれば、悪い事が起こる‥
これらの事を、世の中の仕組みであると考え、これを子どもに教える事を、大人の義務であると、私達は、考えます。
しかし、これらの世の中の仕組みは、果たして、本当に正しいのでしょうか?
否、これらを実践する事が、子どもの幸せに繋がるのでしょうか?
多くの人が、上記のような考えの下で育てられてきた為、私達が、疑う事なく、そのように感じる事は、当然の事です。
子どもが悪い事をすれば、親は、罰します。
これらは、あまりにも直感的な事である為「どうしてそうなのか?」と、誰も立ち止まって考える事をしません。
この育児法は、かつて、男性が、妻や子どもに対して、法的な責任を負っていた時代にまで遡ります。
かつて、妻や子どもの品行が悪ければ、法的責任は、夫・父親にありました。
その結果、妻や子どもを行儀良くさせる為に、男性は「何をしても許される」時代が長く続きました。
この考え方が、広く受け入れられる事により、多くの妻や子どもに対する虐待に繋がっていた事は、戦争に並ぶ、歴史の悲しい事実の1つです。
しかし、現代においては、多くの文化圏において、男女間の関係性や女性の扱いに対する考え方は、大きく進化してきました。
行儀良くさせる為に妻を殴るという、かつて、当たり前のように行われてきた夫の振る舞いは、現代においては、受け入れられません。
子どもに対する虐待や体罰に対する見解も少しずつ変化はしてきていますが、女性への暴力と比較すると、子どもに対しては、いまだに昔ながらの子育てが主流になっています。
私達は、これまでの歴史から、厳格な子育てにあまりに深く馴染んでいる為、穏やかな子育てに違和感を覚えてしまいます。
しかし、先入観を横に置いて、子どもに望ましい行動を促す為に、本当に有効な方法とは何なのか?
その背後にある科学に目を向けてみましょう。
子育てにおいて、おしおきが機能しない事は、複数の研究結果が示しています。
確かに、その瞬間は、子どもは、よくない行動を辞めるかもしれません。
しかし、大抵の親が考えるシナリオ通りにはならず、子どもが、再び同じ行動を取る可能性は、おしおきをしても変わりません。
否、おしおきをする事で、再び同じ行動を取る可能性は高まるのです。
この続きは、また後程。