「衛~ごめんなぁ~メチャクチャカッコ悪かったよなオレ。育ててやるなんてカッコつけだ。‥だから決めたんだよ。お前にもオレの全部を見せちゃおうって。カッコ悪い所、ダメな所、好きなもの、苦手なもの、オレがお前の全部を知っていくように、お前にもオレの全部を知ってもらおう。」
「例えば‥オレ思いっきり遊んだ後の帰り道って好きなんだ。子どもの頃、親に遊園地に連れて行ってもらって、非日常を目いっぱい浴びて思いっきり遊んで疲れて、その帰りに見る景色が、非日常と日常との境界線が、すごい好きなんだ。」
「そして、全て夢だったと錯覚するほど、家に帰って来た時の安心感が好きだった。家ってさ、全部知ってるから安心するんだよな。見えるものや臭いや音まで。オレはお前にとっての家になりたい。これからお前が地球の子として世界中飛び回っても、オレがいる所がお前の家だ。」
「この瞬間のことは、はっきり覚えてる。絶対的な安心感。見たことのない場所にいたのに、そこは家だった。」
『地球の子』の一説です。
子どもは、不安や危機を感じた時、愛着の対象者を安全基地とみなして、自らの身を守ろうとします。
自分で抵抗する事が出来ない子どもが出来る唯一の抵抗が、安全基地に頼る事なのです。
この安全基地、つまり親との良好な関係を幼い時に築く事が出来ないと、大人になっても人との関係構築が上手く出来ず、学校においても、社会に出てからも、人間関係で苦しみ続ける事になります。
何らかの精神疾患を患っていたり、人との関係性を適切に構築する事が出来ない人、誠実性が低い人等の過去を振り返ると、幼い頃の愛着形成が出来ていない事が多いです。
親がまず出来る事は、子どもにとっての家になる事です。