「…ロジャー…ガープ…センゴク…あの頃の海を知る者は、もうずいぶん少なくなった。」
「22年たった…当然だ。」
『ONEPIECE』白ひげとシャンクスの会話です。
11月3日、ピケが自身のSNSを通じて現役引退を発表しました。
バルサで、チャンピオンズリーグ優勝3回、リーガ8回優勝等、数々のタイトルを獲得し、スペイン代表としてもワールドカップ・EURO連覇等、バルサ、そしてスペイン代表の最も輝かしい時代を支えてきたピケ。
ペレ…クライフ…マラドーナ…
フットボールの歴史を変えてきたと言われるプレイヤー達。
しかし、私はフットボールの歴史とは、ペップ以前ペップ以後であると考えています。
ペップが監督として登場した事により、フットボールの概念が大きく変わりました。
世界中の誰もがバルサのようなフットボールを目指し、世界中の名将達がバルサを止める為に、数々の戦術を生み出してきました。
ペップバルサを倒す為に、数々の名将達が戦術を生み出し、その繰り返しがフットボールのレベルを格段に上げてくれました。
そして、ペップバルサの集大成。
2010-11シーズン、チャンピオンズリーグ決勝、最強バルサのメンバーは、ヴィクトール・バルデス、プジョル、ピケ、シャビ、イニエスタ、メッシ、ペドロ等、そのメンバーの半分以上がラマシア出身、つまり自らのチームの下部組織から昇格した選手達でした。
おそらく、今後のフットボール史においても、当時のバルサ以上のチームも、メンバーの半分以上が下部組織出身の選手であるチームは現れないでしょう。
私は、ピケをセンターバックとして高く評価した事はありません。
しかし、最強バルサにも、EURO連覇・ワールドカップ優勝を果たしたスペイン代表にも、そこにはピケがいました。
おそらく、最強バルサや当時のスペイン代表に所属していなければ、ピケが現在のような地位となる事はなかったでしょう。
ただ、その時代の、最強の場所に身を置く事が出来る事も、才能です。
また、1人同年代の慣れ親しんだ選手が、ピッチを後にする決断をしました。
「ジェリ、アンダルシア語で言わせてもらう。君がした事は、誰も真似出来ない。人生を楽しんでくれ。」
ピケのキャリアにおいて、最もライバル関係にあったマドリーのカピタン、そしてスペイン代表では相棒として仕事を共にしてきたラモスのメッセージです。