「そろそろ、うぜぇんだが…。」
「はい?」
「お前のその馬鹿丁寧な喋り方だ。何で同期にまで敬語なんだよ?」
「えーと…これはですね。えーと。」
「待て…当ててやろう。お前…故郷の言葉が恥ずかしいんだろ?図星か?意外と気にするんだなお前…バカのくせに。狩猟以外のこと何も知らなくて、世間や人が怖いんだな?兵士を目指したのだって大した理由じゃないはずだ。大方…親にでも…。」
「ちょっとユミル。」
「サシャ…お前はずっと人の目を気にして作った自分で生きてくつもりかよ。そんなのはくだらないね。いいじゃないか、お前はお前で。お前の言葉で話せよ。」
「あ…ありがとう…ございます。あぁごめん…なさい。まだ…ちょっと…。」
「やめなよ。人に言われて話し方変えることないよ。サシャにはサシャの世界があるんだから。今だってありのままのサシャの言葉でしょ?私は、それが好きだよ。」
『進撃の巨人』ユミルとサシャ、クリスタの会話です。
仕事で、お客さんと話をする時に、お客さんのあなたへの印象が上がる方法を紹介します。
お客さんが使う言葉を、そのままあなたも使う事です。
出来ればお客さんの身体の動きを自分も真似しながら、お客さんの言葉をそのまま使う事をお勧めします。
心理学では、このテクニックをミラーリングと呼びます。
「すみません。お冷のおかわり貰えますか?」
「はい。お水ですね。すぐにお持ちします。」
「この商品、お持ち帰りでお願いします。」
「はい。テイクアウトですね。」
お客さんがお冷と言ったら、そのまま、お冷と言いましょう。
お客さんがお持ち帰りと言ったら、そのまま、お持ち帰りと言いましょう。
オランダのラドバウド大学において、上記の違和感の答えを求めた実験があります。
レストランに協力をして貰って、お客さんの注文を言い換えて答える店員と、お客さんの注文をそのまま復唱する店員、どちらの方がチップを多く貰えたかを調べたのです。
結果は、お客さんの注文をそのまま復唱した店員が貰えたチップは、お客さんの注文を言い換えて答える店員よりも、140%多くチップを貰えたというものでした。
これは、レストランに限らず、どのような仕事においても、有効な心理的テクニックです。
仕事において大切なのは、あなたが言いたい事を言う事ではなく、お客さんがあなたと会話を交わして良かったと思う事です。
まずは、お客さんの言葉を復唱する事から始めてみて下さい。