サファイアの上で、私達は生きている

 

 「じゃあ、もう愛でいいです。俺は、あいつを愛しているので。」

 『宝石商リチャード氏の謎鑑定』中田正義の言葉です。

 

 

 9月の誕生石は、サファイアです。

 サファイアは、ダイヤモンド・エメラルド・ルビーと共に、4大宝石に数えられ、古来より特別なものとして重宝されてきました。

 

 現在、地球は球体であり、宇宙の中の惑星の1つであると、科学的根拠を基に証明されています。

 しかし、科学が発達していなかった古代ペルシャの人々は、地球は天国の色が反映された巨大なサファイアの上でバランスを取りながら存在していると信じていました。

 科学が発達していない時代に、地球や宇宙の在り方を証明するには、人知を超えた力や現象で未知の部分を補う必要があります。

 古代ペルシャでは、人知を超えた力や現象にサファイアが使われていました。

 

 サファイアの上でバランスを取る地球。

 当時、サファイアがどれだけ特別視されていたのかは想像に難くありません。

 

 

 また、サファイアは別名「聖人の石」とも呼ばれています。

 特別な力を持つと信じられていたサファイアは、司教等、聖職者の指輪として用いられていました。

 サファイアの指輪をした手で信者に触れる事で、誠実さを与え、悩みから救う事が出来ると考えられていました。

 

 そんなサファイアの宝石言葉は「誠実・慈愛・真実」です。

 深みのある青色は、揺るぎない心の象徴とされ、サファイアを永遠の愛を誓う結婚指輪として贈る方も多いです。

 

 「地球は愛で出来ている」という綺麗事は、私は好きではありません。

 しかし、古代は地球を支えていると信じられており、現代では永遠の愛を誓う宝石として信じられているサファイアが言うのであれば「地球は愛で出来ている」という言葉も信じられるような気がします。