「ツッキー、最近のバレーはどうだい?」
「‥おかげさまで…本当に、おかげさまで…極たまに面白いです。」
『ハイキュー』黒尾とツッキーの会話です。
私は、小学生の頃から「何故バレーは点が入る度にハイタッチをし、声を掛け合ってるのか」不思議でした。
さらに『ハイキュー』を読むまで、否、現在も3次元のバレーに対しては、その光景は皆で必死に励まし合っている弱い集団のように見えてしまうと感じる事があります。
私は、サッカーをやってきた影響か、得点を決めるのは自分の存在意義を示す為、試合中、否、人生の不安も悲しみも怒りも、自分のプレーで示すという世界観が染みついている為か、そのような選手が大好きな為か、未だに3次元のバレーで得点を取ったり取られたりする毎に、仲間が集まり励まし合っているような光景には違和感を感じてしまいます。
喜ぶのも、怒るのも、悔しがるのも、まずは1人であるべきというのが、私の持論です。
しかし、科学においては、親しい人との触れ合いが、人生の幸福度を上げたり、パフォーマンスを上げる事がわかっています。
バージニア大学のジェームズ・コーンは、16組の夫婦に実験室に来て貰い、妻に電気ショックを受けて貰いました。
そこで、電気ショックを与えられている時の妻の脳の状態をfMRIで調べました。
この時、2つの条件で実験を行いました。
①夫に手を握って貰う
②面識のない男性に手を握って貰う
その結果、夫が手を握っていると、脳の島皮質や前頭頭回等の領域が活性化せず、あまりストレスを感じていないという結果が出ました。
愛する、若しくは長年苦楽を共にしてきたパートナーと触れ合っていると、ストレスを感じにくくなるのです。
尚、面識のない男性に手を握って貰っても、ストレス軽減の効果はありませんでした。
触れ合いが大切とはいえ、誰でもいいという訳ではないという事も、この研究が証明しています。
子どもは、何度でも、母親に抱きつきます。
これは、お母さんと触れ合っていると、安心出来るからです。
大人になるにつれ、他者との触れ合いが減っていくのが一般的ですが、本当は親しい人との触れ合いを増やした方がいいです。
触れ合いを増やせば、ストレスが減少し、幸福度も上がります。
この点は、欧米の世界観を参考にしてみるのもいいのかもしれません。
『ごみ捨て場の決戦』においても、黒尾がツッキーに声を掛けるから心揺さぶられ、黒尾と大地さんが挑発し合うから喜びを感じ、黒尾と夜久と海が肩を組み合い高校バレーに別れを告げるから涙を誘うのです。
親しい人と触れ合う事と、親しい人に「あなたの言葉」を届ける事を、お勧めします。