チャンピオンズ3戦目ホームでナポリを迎えたパリは、アディショナルタイムまでナポリに2対1で負けていました。
リバプールにも敗戦しているため、予選3戦目にして2敗は決勝トーナメント進出に黄色信号が灯ります。
そのなかチームを救ったのはディ・マリアでした。ディ・マリアの一発により、チームは希望を繋げることができました。
しかし、ディ・マリアほど、実力と評価がかけ離れている選手はいないのではないでしょうか。
マドリード、ユナイテッド、パリと各国のビッククラブで活躍してきたディ・マリアですが、どのチームでも主役となったことはありません。
そして、どのチームでも監督に冷遇され、ベンチに座る機会も多いです。
しかし、ディ・マリアほど様々な役割を期待通りにしてくれる選手はいません。
パリに加入後、150試合57得点58アシストという結果からもコンスタントな活躍がうかがえます。
ディ・マリアの最も優れた点は、あえてボールを失う決断ができることです。
ディ・マリアは現代フットボールでは珍しくクロスを多くあげます。
つながるか、つながらないか微妙な時でもクロスを上げます。
相手に触られても、味方に触られても、チャンスとなるポジションにクロスを上げ続け、90分を通じて相手や味方の身体や脳を動かします。
フットボールに深く関わったことがある人なら理解できると思いますが、あえてチャレンジをし、ボールを失うこともフットボールには必要です。
チャレンジをすることで、相手に複数の選択肢を与え、判断に迷いを生じさせることができるからです。
この一瞬の迷いを与えることにより、相手の守備を突破することができます。
ディ・マリアは、ロナウドがいても、メッシがいても、ネイマールがいても、あえてボールを失う決断をすることができます。
このディ・マリアの決断が、マドリードをパリを常勝できるチームに変えてきたと感じています。