「オレ1人で出来る事なんか、たかが知れてる。だけど、家族ができた時、一緒に手に入れたものがある。」
「優しさとかでしょぉ?」
「違う。大事な人を傷付ける奴らへの怒りだ。2人を苦しめ、悲しませ、諦めさせるヤツをオレは絶対に許さない。オレが死んだら2人は悲しむ。死にたいなんか毛ほども思わない。死んでたまるか。そんな未来オレが許さん。邪魔するな。オレが2人を幸せにする。2人を不幸にする運命なんか、オレが根絶やしてやる。」
『地球の子』令助と地球の会話で人
ヒトは、嬉しさ・喜び・愛等ポジティブな感情よりも、怒り・恐れ・不安等ネガティブな感情に強く反応します。
これは、私達ホモサピエンスが多くの時間をジャングルやサバンナの中で過ごしてきた事に起因します。
最古の人類は700万年前に誕生しました。
その後、ほとんどの時間をジャングルやサバンナの中で過ごしてきて、現在の定住生活の基盤となる農耕を始めたのが1万年前です。
つまり、私達の脳はいまだにジャングルやサバンナの中にいた時とほとんど変化はしておらず、脳は現在もジャングルやサバンナにいる時と同様の働きをしています。
ジャングルやサバンナで生活をしている事を想像すると理解しやすいですが、どこで猛獣に襲われるかわからない恐れ、今日食事にありつける事が出来るだろうかという不安等、ネガティブな感情が優先します。
この為、現在の私達においても、ポジティブな感情をネガティブな感情が上回るという特性があります。
一説によると1つのネガティブな出来事を帳消しにする為には、ポジティブな出来事を4つ体験する必要があるとも言われています。
上記を理解した上で、ネガティブな感情と、どのように向き合うかという正しい思考方法がネガティブな感情に支配されない為に必要となります。
私は、ネガティブな感情は、自分の大切なものを守るように教えてくれていると考えています。
ネガティブな感情に遭遇した時、その一時の感情に支配される事なく「自分にとって大切なものは何か」を冷静に見極めてみて下さい。
怒りは現在よりも成長する為に使い、恐れは現在の自分の能力を正確に見極める為に使い、不安は現在だけではなく将来に備える為に使うのです。
そして、それぞれの感情をあなたが守るべきものの為と主語を置き、考えてみて下さい。
このように考えるとネガティブな感情も、使い方によりポジティブなものに変化させる事が出来ると理解する事が出来ます。