ヒトはイヌとともに進化してきた

 現在、イヌの種類は800種にも及ぶと言われています。

 イヌの祖先は、オオカミです。

 では、現代のイヌは、何故これほどまでヒトに懐き、ヒトとともに生活をする事が出来るのでしょうか?

 その答えは、イヌの中で人に懐く個体ばかりの交配をヒトが続けてきたからです。

 つまり、現代のイヌは、人に懐く遺伝子が組み込まれているイヌという事になります。

 

 一時はホモサピエンスとともに、地球で暮らしていたヒト科であるネアンデルタール人が、滅んだ理由の1つも動物と共存出来なかった為であると考えられています。

 屈強な身体を持つネアンデルタール人は、動物に頼らずとも、狩りが出来、食料を調達する事が出来ました。

 その反面、屈強ではない身体を持つホモサピエンスは、生きていく為に、イヌを始め、様々な動物を利用してきました。

 動物と協力する事により、これまでにない部位の脳を使うようになり、そこからヒトの脳は進化してきたと考えられます。

 個体の強さだけでいえばネアンデルタール人の方が優れているものの、ホモサピエンスは弱いからこそ、考え、工夫し、動物と共存するという選択をし、生き延びる事が出来ました。

 

 見方を少し変えると、ヒトに近づき、ヒトと共存する事がイヌにとっての生存戦略であるとも捉える事が出来ます。

 イヌ特有の上目遣いは、眼輪筋という筋肉により実現しています。

 この眼輪筋は、オオカミにはない筋肉です。

 つまり、イヌがヒトとともに生きていく中で、生存戦略の為に身に付けてきた筋肉になります。

 

 ヒトとイヌの遺伝子は異なり、それぞれが遺伝子として交わる事はありません。

 1種の生物学的変化が、別の種の生物学的変化にも繋がる事を共進化といいます。

 ヒトとイヌは、共進化してきた事を、人類史を振り返ると気付く事が出来ます。