「皮肉だね。悪党の血の方がきれいな花が咲く。」
『幽遊白書』蔵馬の言葉です。
徳川吉宗が、理数系の本を輸入した事により、強い関心を抱いたのが国民の健康でした。
栄養摂取のほとんどを米に頼っていた江戸時代には、米が凶作となると、多くの国民が飢えにより、亡くなっていました。
そこで、吉宗は、サツマイモを日本に導入します。
荒れた土地でも育つサツマイモは、江戸時代から、日本人を飢えから救ってきました。
そして、サツマイモの次に吉宗の興味を惹いたのが、薬草でした。
当時の日本は、朝鮮人参を始め、薬に使う多くの薬草を海外からの輸入に頼っていました。
これにより、日本の銀が大量に海外に流出する事により、日本経済も危機を迎えておりました。
そこで、吉宗は、就任早々作らせた日本地図を渡し、日本各地に植物学者や医師等を派遣し、日本原産の薬草を探させます。
これにより、150種程の薬草を発見します。
この薬草を、現在の文京区にある小石川御殿にて、栽培させます。
また、吉宗は、御殿の全てを薬草を育てる薬園に変えました。
小石川御殿は、現在は小石川植物園と名を変え、同じ地にて、薬草の栽培を続けています。
「異国の薬草を栽培できれば、海外から入ってこなくても、国民が病気になることはない。」
吉宗が残した文書です。
ウィスコンシン大学が、天才に特有のパーソナリティを調べる研究をしました。
研究チームは、8,000人の天才と評される人のデータからメタ分析を実施しました。
この研究における天才の定義は、同世代の人よりも知性が突出した存在の事で、数学や語学等の成績だけではなく、斬新なアートを生む想像力、他者をまとめるリーダーシップ、哲学的な思考の深さ等、あらゆる知的ジャンルにおける能力の高さを表します。
果てして、全ての天才に共通する性格とは、どのようなものだったでしょうか?
その答えは、開放性の高さでした。
開放性とは、未知の情報に興味を持ち、そのモチベーションを行動に移せるかどうかを示す性格の事を指します。
シンプルに表現するなら、天才は皆、好奇心に溢れていたのです。
その一方で「人付き合いが好き」「神経質で社交が苦手」「不安になりやすい」等、いくつかのステレオタイプのような天才像は、天才のパーソナリティとは関係がありませんでした。
天才と凡人を分けるのは、好奇心の有無だったのです。
家康は、当時何もない江戸に入り、豪華な城を立てる事ではなく、川の流れ等、地形に注目しました。
吉宗も、日本の人口を調べる事から始め、理数系の知識を取り入れ、作物の栽培や薬草の栽培に注目しました。
今の時期、梅が見ごろです。
湯島天神、小石川後楽園等、東京の梅の名所地でも、梅が満開となっております。
この梅も、吉宗の育成の成果の1つです。
人口統計を見る度に、薬を飲む度に、美しい梅を見る度に、吉宗を思い出してみて下さい。
そして、好奇心こそが天才となる鍵である事を思い出し、少しでも心動いたのなら、行動してみて下さい。
あなたを成長させるもの、それは好奇心です。