私は、フットボールにおいて最も重要な役割は、ボールを運ぶことであると考えています。
最近5年間、マタに注目しており、マタの出場している試合は全て観るように心掛けています。
マタは小柄であり、1人で突破するようなドリブルも、スピードもありません。
さらに、イニエスタやシャビのような生まれ持った特別な才能も持ち合わさせていません。
そのため、監督からは軽視されやすい存在であり、ベンチに座る機会も決して少なくありません。
しかし、マタがチームに加わるとボールを運んでくれます。
そのおかげで、ドリブルを得意とする選手は自身が最も得意なポジションでボールを待つことができます。
それぞれが適切なポジションを取ることにより、戦術も機能します。
どの選手にも適切なタイミングでボールを配給するため、選手やチームにリズムが生まれます。
さらに、マタが時間を作ることにより、各選手が適切な位置にポジションを取り直し、こぼれ球を拾いやすくなり、波状攻撃が可能となります。
チームへの貢献度と評価が比例しないマタではありますが、現地での人気は絶大です。
古巣のスタンフォードブリッジでも、マタがコーナーキック等スタンドに近づくと、チェルシーサポーターは拍手を送ります。
チェルシーが負けているにも関わらず、ステンディングオベーションにてマタを送り出すスタンフォードブリッジの光景は美しいです。