今回のワールドカップがフットボール界に与える影響は何だったのでしょうか。
毎週プレミアリーグやセリエA・チャンピオンズリーグ等を観ている側からすると、今回のワールドカップに優れたチームは、1つもなかったように思います。
年々クラブレベルと代表チームとのフットボールレベルの差が広がっています。
ユーロ連覇と2010年ワールドカップ優勝を果たしたスペインには、フットボールは身体能力ではなく、ボール扱いの上手い選手や戦術眼が高い選手が集まるチームが世界一になることを示してくれました。
2014年ワールドカップでは、ペップのフットボールを体現したドイツが優勝しました。フットボールには、ポジションという概念はなく、その都度選手と監督の判断により、柔軟に対応すべきことであることを示しました。また、ノイアーの活躍により、ゴールキーパーにも足元の能力が求められるようになり、2014年以後の4年間でキーパーのキック精度は上がり、ボールを扱えるキーパーでなければ、ワールドクラスには及ばなくなりました。
2016年ユーロでは、ロナウドがメッシにはないリーダーの力を示しました。
フットボールには、チームを引っ張る力・チームを勝利に導く力がプレイ同様に大切であることを示してくれました。
翻って今回のワールドカップは、どのようなフットボールを示してくれたでしょうか。
フランスには物語もなく、新たな時代のフットボールを披露したわけではありません。
また、セットプレイが大切であるというワールドカップでは、フットボールに夢がなくなります。
オリンピック同様、年々ワールドカップの意義が低下しています。