一途な愛の為、人類は二本足で立ち上がった

 

 「無知というのは、しばしば知識よりも確信に満ちている。科学によって、これやあれやの問題を解決することは絶対にできないと主張するのは、きまって知識がない人である。」

 ダーウィンの言葉です。

 

 

 「複数の相手と子孫を残したいと思うのが人間の本能。」

 このような浮気の言い訳を聞いた事がないでしょうか?

 これは、特に男性の脳科学・生物学・心理学的には正しいと思われますが、人類進化の観点から考えると、上記の言い訳は説得力が弱くなります。

 地球上の生物で唯一、直立二足歩行をする道を選択した人類。

 現在、直立二足歩行は一夫一妻制の為であるという説が有力となっています。

 

 

 日本を始めとする多くの国が、一夫一妻制を取っています。

 しかし、法律に定められる以前より、人類は一夫一妻制だったのです。

 一夫一妻制は、類人猿では珍しいケースです。

 チンパンジーは乱婚、ゴリラやオラウータンは一夫多妻制を取り、子孫を残しています。

 

 

 では、人類が一夫一妻制を取った理由は、何でしょうか?

 メスが未熟な子を抱えて、食糧を探し回るのは困難です。

 その為、オスは、自然と家族に食料を運ぶようになりました。

 その時、四足歩行だと、少量の食料しか運ぶ事が出来ない為、餌場を何往復もしなければなりません。

 

 これに対し、直立二足歩行であれば、一度にたくさんの食料を両手に抱え、運ぶ事が出来ます。

 その為、効率的に食料を収集出来、生存や繁殖においても、有利に働いたのではないかと考えられています。

 

 また、仮に人類が乱婚だった場合、オスは自分の子どもを見分けられません。

 自分の子どもを見分けられなければ、メスや子どもに食料を運ぶ行動は進化しません。

 一夫一妻制であれば、ほぼ確実に自分の子どもである為、より多くの食料を運ぶ能力が自分の遺伝子を残し、増やす事に有利に働いたと考える事が出来ます。

 人類が二本足で立ち上がったのは、愛ゆえだったのかもしれません。