生まれた月と、将来の成功との関係性は、強いと思いますか?

☆3月7日『呪術廻戦』乙骨憂太
★3月9日『ONEPIECE』シャンクス
☆3月20日『ハイキュー』佐久早聖臣
★4月4日『HUNTER×HUNTER』クラピカ
☆4月15日『忘却バッテリー』要圭
★4月20日『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己
「プロスポーツ選手には、4月生まれが多い」という話を聞いた事がある人は、多いのではないでしょうか?
同じ学年でも、4月生まれと翌年3月生まれとでは、約1年の差があります。
特に、子どもの年齢が小さい間は、1年の差は、とても大きいものです。
体格は勿論、情緒面・知能面・精神面の発達にも、差がある事が知られています。
確かに「相対年齢」の影響がわかりやすい学校を題材にした作品である『忘却バッテリー』要圭『僕のヒーローアカデミア』かっちゃん(爆豪勝己)は、4月生まれである事による優位性を活かして、人生を歩んでいるように写ります。
♦「相対年齢」
同じ学年内の実年齢の違いは「相対年齢」と呼ばれます。
☆4月生まれの子どもは、相対年齢が高い
★翌年3月生まれの子どもは、相対年齢が低い
日本においては、上記のような「相対年齢」の違いが生じます。
「相対年齢」の高低が、スポーツのパフォーマンスに与える影響については、多くの研究がされてきました。
その中でも、イギリスとオランダのプロサッカー選手には「相対年齢」が高い人が多い事を示す研究は、有名です。
日本においても、プロのサッカー選手になれる可能性は、4月・5月・6月生まれの「相対年齢」が高い子どもの方が、9%高くなるというデータが出ています。
また、サッカーに限らず、多くのプロスポーツにおいて、同様の傾向が見られています。
さらに、スポーツに限らず、アメリカの大企業のCEOや連邦議会議員にも「相対年齢」の高い人が多い事も、明らかになっています。

「相対年齢」は、子どもの学力にも、影響を及ぼします。
☆イギリス :3,6
★ノルウェー:2,8
☆日本 :3,2
国際比較可能な学力調査を用いた研究において、同じ学年内で「相対年齢」の1番高い子どもと、1番低い子どもを、理数系科目の学力テストの偏差値で比較した数字です。
☆偏差値が高い :60以上
★偏差値が少し高い:55以上60未満
☆偏差値が普通 :45以上55未満
日本の高校受験における、偏差値のシンプルな見方です。
ちなみに、日本においては、偏差値50を、中央値としています。
この数字を見ても「相対年齢」だけで、偏差値が3,2違うという事が、とても大きい事に気づくのではないでしょうか?
埼玉県の自治体を対象に「相対年齢」が、高校入試にも影響があるのかを調査した研究もあります。
♦合格した高校の偏差値が、4,7高い
驚くべき事に、4月生まれの子どもは、翌年3月生まれの子どもと比較し、合格した高校の偏差値が4,7も高いという結果が出ました。
ただ、学力の格差は、学年が上がるにつれて、縮小していきます。
その一方、勤勉性・自己効力感・自制心等の「非認知能力」においては「相対年齢」の影響は、学年が上がっても、その差が縮まらない事がわかっています。
♦30~34歳時点での収入が、4%高い
「相対年齢」の高低の影響は、学校卒業後もみられ、4月生まれの人は、翌年3月生まれの人と比較し、30~34歳時点での収入が、4%高いというデータがあります。
生まれ月の影響は、学校在学時だけではなく、学校卒業後にまで渡ります。
その為、多くの先進国においては、早生まれの子どもが、保育園・幼稚園・小学校の入学時期を1年遅らせる事が出来るようになっています。
アメリカにおいては、10%の子どもが、入学学年を1年遅らせています。
特に、経済的に恵まれた親が、上記のような選択をしています。
日本のように、純粋に、誕生日のみで入学する年が決定される国は、現代においては、先進国の中では少数派となっています。

♦年間1,800件を超える出生が、1週間程度ズレている
東京大学の研究では、日本において、年間1,800件を超える出生が、3月の最終週から4月の第1週にズレていると推測されています。
真実はわかりませんが、早生まれの不利を嫌う親が、何らかの方法を使って、出生日が4月2日以降になるように試みたのではないかと考えられています。

一部の私立学校においては、4~9月生まれの子どもと、10~翌年3月生まれの子どもに、等しく合格枠を用意するというような選抜方法が取られています。
ただ、私は、そのような取り組みには、反対です。
そのように、社会が用意した平等には、必ず不平等が生まれるからです。
確かに、子どもは生まれ月を選べません。
しかし、選べないのは、生まれ月だけではありません。
親も選べないし、頭の良さ・外見・病気の有無等、遺伝の要素が6割以上の事も、生まれる場所さえ、選ぶ事が出来ません。
「世界は平等じゃなくて、平等だ。」
世界を平等にしていくのは、社会ではなく、あなたなのです。