二千年後の君へ

 遅ればせながら、別冊マガジン5月号にて『進撃の巨人』が最終回を迎えました。

 正直、最近3年程は読み始めた当初のワクワク感を感じられずにいました。その為、アニメも3期途中までしか観ていませんでした。

 しかし、6月に発売された最終巻を読み終えた後、もう一度漫画を読み返すとともに、アニメを振り返ると、その物語の奥深さに再び惹かれていく自分がいました。

 『HUNTER×HUNTER』同様、『進撃の巨人』は漫画上級者に向けた漫画です。1回読んだだけでは、よくわからないというのが正直な感想です。

 比較するものではありませんが『指輪物語』や『ハリーポッター』よりも、物語として魅力的なのではないかと思います。

 『進撃の巨人展』に大阪に行った時に、主役のエレンや人気1位のリヴァイには目もくれず、ジャンとだけ写真を撮っている女性がいました。ジャンは主要キャラクターであるものの、登場回数はそれ程多くありません。

 私は、この時に「この作品は、他の作品と違うな。」と強く感じたことを記憶しています。

 それぞれのキャラクターに思い入れを持ち、その中で自分の推しのキャラクターがそれぞれのファンごとに異なることも『進撃の巨人』の魅力です。

 そして、そのキャラクターも明日どうなっているかわからないことが、怖い反面、惹かれてしまう魅力になっています。

 作者諫山氏が『情熱大陸』に出演した時のファンのインタビュー「作者がひどい。」と「ページをめくるのが怖い。」という2つの意見がまさに作品への感想として読者の気持ちを凝縮しています。

 よく「進撃の巨人、グロイでしょ?」と聞かれますが、「グロイ以上にキャラクターが魅力的な上に、怖いのは巨人よりも人間だから大丈夫。」と私は答えるようにしています。

 「俺はここで初めて同胞を蹴落とした日から お前は妹を連れて壁の外に出た日から その行いが報われる日まで進み続けるんだ。 死んでも 死んだ後も これはお前が始めた物語だろ。」

 「九つの巨人にはそれぞれ名前がある。 これからお前へと継承される巨人にもだ。 その巨人はいついかなる時代においても 自由を求めて進み続けた。 自由のために戦った 名は 進撃の巨人。」

 最近事ある事に脳裏に「これはお前が始めた物語だろ。」という言葉が脳裏を過ぎります。

 

 『進撃の巨人』1話目のタイトルは「二千年後の君へ」です。

 私は、勝手に昔々地球には巨人がいたのではないかと、考えてしまいます。

 それが調査兵団等により撃退され、2千年という時が包み、巨人は現在ではおとぎ話のキャラクターになったのではないか、勝手にそのように解釈をし、楽しんでいます。