「不思議なものだな。阿良々木先輩と私はー何故か息がピタリと合う。ずっと昔からの親友みたいにな。みんなは直江津高校の陽キャ代表のような扱いで私に接してくるが、あれはあれでーなかなか窮屈で、しんどい時もあるのだ。なにせ本当の私はBLが大好きな根っこが腐りまくった女子なのでな。」
「はは。私がこんな話をできるのは阿良々木先輩だけなのだ。」
『化物語』神原の言葉です。
相手にとって、特別な人になりたいという欲求を叶えたい場合、アンビバレンスというテクニックが有効です。
アンビバレンスとは、二面性を意味します。
人には、表に見せている面と、表に見せていない自分の内側の面の2つが存在しています。
仕事や友人と会っている時にはとても明るく振舞っている人も、プライベートや恋愛ではとても落ち込みやすかったり、傷付きやすかったりするものです。
その部分にふれると、人の心をつかむ事が出来ます。
つまり、表に見せている面と逆の面を褒めるのです。
人には必ず表の自分と裏の自分の二面性があり、表に見せていない裏の部分を本当の自分だと思うものです。
さらに、人は誰しも「自分の事をわかってほしい。」という承認欲求を持ち合わせています。
その為、明るい人に「明るいですね。」と言っても心に響きません。
ここで「明るいけれど、無理しやすいタイプではありませんか?」等と声を掛けるのです。
すると、相手は心を見透かされたような気持ちになり「この人は自分の事を理解してくれている。」と思ってくれます。
心理学の用語で、フォアラー効果という言葉があります。
フォアラー効果は、1948年アメリカの心理学者フォアにより発見された心理作用です。
フォアは、性格診断を受けた学生1人1人に「あなたは〇〇な性格だが、××な面もあります。」という診断結果を性格診断の結果とは関係なく、ランダムに配りました。
診断結果は、学生の性格とは関係のないデタラメなものです。
しかし、学生達にどの程度自分に当てはまっているか、5点満点で採点してもらった所、平均4,26得点という高得点の結果が出ました。
デタラメなものであったにも関わらず、多くの学生が診断結果を正しいものであると判断したのです。
女性に話し掛けるのが苦手という男性は年々増えている印象です。その逆も然りです。
たとえば、相手の女性の外見が派手でどう見ても家庭的でなければ「結構家庭的っぽいよね?」等と聞いてみて下さい。
多くの場合「そんな事ないです。料理も出来ないですし‥。」等と返ってきます。
そしたら、すかさずに「でも、いい奥さんになりそう。」等と指摘してみて下さい。
嫌な言葉ではない為、嫌われる事はありませんし、相手は表に見せていない面を褒められる事で「この人は、他の人と違って本当の自分を見てくれている。」と感じます。
このテクニックを使う時には、①断定的に言う事②ポジティブな要素を含める事③自分だけに向けられた言葉だと感じさせる事の3つを意識して下さい。
もちろん、悪用は厳禁です。