人に聴いてもらうからではなく、言語化するから楽になる

 よく「人に話を聴いてもらうだけで、楽になるんだよ。」等と言う人がいます。

 私は、常々この意見に疑問を持っていました。

 その理由は、多くの場合、聴く方の技術が足りていないからです。

 こちらの質問とは関係のない返答があること等、日常茶飯事ですし、こちらが話し終える前に話始める人も多数います。

 人は、本能的に話を聴くよりも、自分の話を聴いてほしいという承認欲求を持っています。

 その為、話を聴いている中でも、次に自分がどのような話をしようか考えています。

 果たして、好きなことを言い合うだけの事で、気持ちは楽になるのでしょうか?

 その一方、聴いてもらっているかどうかは不明ですが、話をしただけで楽になったような経験は確かにあります。

 私の仮説では、話を聴いてもらうから楽になるのではなく、言語化をすることにより楽になるのではないかと考えています。

 たしかに、お腹が空いてもそれ程不快には感じませんが、便秘等で排泄がスムーズにいかないと不快な気持ちになります。

 人は、本能的に取り込むことよりも、出すことに快感を覚えるのかもしれません。

 ある研究では、人に話をするよりも、その気持ちを紙に書き出すことの方が心理的効果は高いという結果も出ています。

 これからは、話を聴く人の技術が足りなくても、言語化させて貰えているだけで自分にはプラスだからいいかというような寛容な気持ちが持てそうです。