…嗚呼、谷くん。本当にごめんなさい。正直、大好きです…
…みんなは、谷くんのことを「物静かな眼鏡の子」ぐらいにしか思ってないみたいだけど、谷くん自分の意見しっかり言うし、人によって態度変えたりしないし、無駄に人にあわせたりしないし、なんかそういうの、めちゃくちゃ憧れる…
「谷くん、鈴木のダル絡み、嫌ならちゃんと嫌って言いなよ。」
「‥別に、大丈夫。」
「‥ほらね。大丈夫。」
「言わせてない?」「パワハラだ。パワハラ。」
…あー良かったァーッ。谷くん、ごめんね。好きなのに、普通に話しかけたいのに。周りの目が気になる私には、好きだということが、絶対バレない接し方しかできない…
…谷くんに憧れているのに、私は谷くんとは真逆の人間なのだ…
『正反対な君と僕』鈴木の脳内言葉と、サト・谷君・鈴木・サト・ナベの会話、そして、鈴木の脳内言葉です。
残念な事に、他人から良く思われようとするのは、私達の中に深く根差した「本能」です。
狩猟採集社会に生きていた私達の祖先にとって重要だったのは「内なるスコアカード」と「外のスコアカード」のどちらだったでしょうか?
答えは「外なるスコアカード」です。
私達の祖先の生死は、周りからどう思われるかに掛かっていました。
良い印象を持たれていれば周りから助けて貰えますが、嫌われれば集団からつまはじきにされてしまいました。
「外のスコアカード」に無関心だった祖先の遺伝子は、絶えてしまいました。
1万年程前に、町や村が形成され始めると、誰もが誰をも、個人的に知っている共同体ではなくなりました。
その為、人々は周りの「評判」を気にするようになり始めました。
そして、直接顔を合わせる事なく、人々の「評判」を知る為の「噂話」が盛んになっていきます。
これ以降「噂話」は、現代も、私達の世界で幅を利かせています。
今度、複数の友人と集まる機会があったら、会話の内容に注意してみて下さい。
おそらく、会話の内容の90%は、そこにいない誰かの「噂話」です。
私達が、これ程までに、自分が「他人からどう思われているのか」を気にするのは、ヒトの進化の歴史に理由があったのです。
しかし、だからといって、その事が現代でも、大事とは限りません。
私の考えは、寧ろ逆です。
「周りがあなたをどう思っているのか」は、あなたが思っているよりも、ずっとどうでもいい事です。
自分の評判や面目・名声に傷がつく事を恐れるあなたの「感情スイッチ」が、必要以上に強くセットされ過ぎているだけです。
スイッチの設定が、いまだに古代のままなのです。
周りはあなたを褒めちぎろうが、中傷しようが、その事が、あなたの人生に与える影響は、あなたが思うより、ずっと小さいです。
あなたのプライドや羞恥心が、大袈裟に反応しているに過ぎません。
だから、他人の評価からは、自由になる事をお勧めします。
世間の人々は、あなたに関して、好き勝手は「噂話」を繰り返します。
あなたを極端に褒めだしたり、厄介事に巻き込んだりしてきます。
そのいずれも、あなたには、コントロール出来ない事ばかりです。
しかし、幸いな事に、コントロールする必要もない事です。
承認欲求の塊となる事は、やめましょう。
それよりも、自分で何かを成し遂げたり、胸を張れるような生き方に、注力した方が、余程あなたの人生に大きな影響を与える事を約束します。
…空気を読むのは、周りのためではなく、完全に自分のため。自分のためにしている行動なのに、たまに疲れてしまうのは、なんでだろう…
『正反対な君と僕』鈴木の脳内言葉です。