人の関係は、相対的。誰かにとってのクソヤローも、誰かにとっては優しい彼氏なんだよ2

 

 …嗚呼、谷くん。本当にごめんなさい。正直、大好きです…

 …みんなは、谷くんのことを「物静かな眼鏡の子」ぐらいにしか思ってないみたいだけど、谷くん自分の意見しっかり言うし、人によって態度変えたりしないし、無駄に人にあわせたりしないし、なんかそういうの、めちゃくちゃ憧れる…

 

 「谷くん、鈴木のダル絡み、嫌ならちゃんと嫌って言いなよ。」

 「‥別に、大丈夫。」

 「‥ほらね。大丈夫。」

 「言わせてない?」「パワハラだ。パワハラ。」

 

 …あー良かったァーッ。谷くん、ごめんね。好きなのに、普通に話しかけたいのに。周りの目が気になる私には、好きだということが、絶対バレない接し方しかできない…

 …谷くんに憧れているのに、私は谷くんとは真逆の人間なのだ…

 『正反対な君と僕』鈴木の脳内言葉と、サト・谷君・鈴木・サト・ナベの会話、そして、鈴木の脳内言葉です。

 

 

 

 残念な事に、他人から良く思われようとするのは、私達の中に深く根差した「本能」です。

 狩猟採集社会に生きていた私達の祖先にとって重要だったのは「内なるスコアカード」と「外のスコアカード」のどちらだったでしょうか?

 答えは「外なるスコアカード」です。

 

 私達の祖先の生死は、周りからどう思われるかに掛かっていました。

 良い印象を持たれていれば周りから助けて貰えますが、嫌われれば集団からつまはじきにされてしまいました。

 「外のスコアカード」に無関心だった祖先の遺伝子は、絶えてしまいました。

 

 

 1万年程前に、町や村が形成され始めると、誰もが誰をも、個人的に知っている共同体ではなくなりました。

 その為、人々は周りの「評判」を気にするようになり始めました。

 そして、直接顔を合わせる事なく、人々の「評判」を知る為の「噂話」が盛んになっていきます。

 

 これ以降「噂話」は、現代も、私達の世界で幅を利かせています。

 今度、複数の友人と集まる機会があったら、会話の内容に注意してみて下さい。

 おそらく、会話の内容の90%は、そこにいない誰かの「噂話」です。

 

 

 

 私達が、これ程までに、自分が「他人からどう思われているのか」を気にするのは、ヒトの進化の歴史に理由があったのです。

 しかし、だからといって、その事が現代でも、大事とは限りません。

 私の考えは、寧ろ逆です。

 

 

 

 「周りがあなたをどう思っているのか」は、あなたが思っているよりも、ずっとどうでもいい事です。

 自分の評判や面目・名声に傷がつく事を恐れるあなたの「感情スイッチ」が、必要以上に強くセットされ過ぎているだけです。

 スイッチの設定が、いまだに古代のままなのです。

 

 周りはあなたを褒めちぎろうが、中傷しようが、その事が、あなたの人生に与える影響は、あなたが思うより、ずっと小さいです。

 あなたのプライドや羞恥心が、大袈裟に反応しているに過ぎません。

 

 

 だから、他人の評価からは、自由になる事をお勧めします。

 世間の人々は、あなたに関して、好き勝手は「噂話」を繰り返します。

 あなたを極端に褒めだしたり、厄介事に巻き込んだりしてきます。

 

 そのいずれも、あなたには、コントロール出来ない事ばかりです。

 しかし、幸いな事に、コントロールする必要もない事です。

 

 

 承認欲求の塊となる事は、やめましょう。

 それよりも、自分で何かを成し遂げたり、胸を張れるような生き方に、注力した方が、余程あなたの人生に大きな影響を与える事を約束します。

 

 

 

 …空気を読むのは、周りのためではなく、完全に自分のため。自分のためにしている行動なのに、たまに疲れてしまうのは、なんでだろう…

 『正反対な君と僕』鈴木の脳内言葉です。