人は現実がありのままに見えるわけではない。見たいと欲した現実しかみていないのだ

 

 …自分が変われば世界が変わるというが、そんなことはない。既にできあがってしまった自分への評価も既存の人間関係もたやすくプラスには変わらない…

 …固定観念と印象でしか、ものを見ない。人は現実がありのままに見えるわけではない。見たいと欲した現実しかみていないのだ…

 『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』ヒッキーの言葉です。

 

 

 世界で最も売り上げが高いアパレル企業はインデックス(ZARA)、2位はH&M、3位がファーストリテイリング(ユニクロ)です。

 そして、国内に目を向けると、日本国内1位はファーストリテイリング、2位はしまむらです。

 

 

 ファーストリは、2007年から2022年にかけて純資産を2,400億円から6,6倍の1兆6,000億円に増やしています。

 その一方、負債も2007年の1,200億円から、2022年には純資産額と同じ1兆6,000億円にまで膨らんでいます。

 つまり、ファーストリは純資産額と負債額が同額あり、借金を増やす事で成長をしてきた事が数字から伺い知る事が出来ます。

 

 これに対し、しまむらは、2007年から2022年にかけて純資産額を1,400億円から2,9倍の4,100億円に増やしています。

 ファーストリとは対照的に、負債が2007年630億円に対し、2022年も640億円と、負債をほとんど増やす事なく、純資産額を増やしています。

 純資産比率が、87%と驚異的な数字を出しています。

 

 

 ビジネスモデルも、対照的です。

 ファーストリは、企画から製造・販売まで一貫して行うSPA型(製造小売業)で少品種・多量販売をします。

 これに対し、しまむらは、メーカーからの買取りで品揃えする仕入れ型です。

 

 在庫回転率も、ファーストリの2,3回転に対して、しまむらは7,3回転です。

 しまむらは、ファーストリの3,2倍のペースで在庫をさばいているのです。

 

 成長と挑戦のファーストリと、堅実と応戦のしまむら。

 決算書の数字から、日本を代表するアパレル企業の実態を伺い知る事が出来ます。

 

 

 …リア充にはリア充として行動を求められ、ぼっちはぼっちであることを義務づけられ、オタクはオタクらしく振る舞うことを強要される。その逆は、許されない。それが子どもの王国の腐りきったルールだ…

 再び『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』ヒッキーの言葉です。

 

 

 リア充はリア充らしく行動する必要もないし、ぼっちがぼっちらしく行動する必要も、オタクがオタクらしく行動する必要もありません。

 リア充がオタクになってもいいし、オタクがリア充になってもいいのです。

 ファーストリやしまむらが、ファーストリらしさや、しまむららしさから脱却してもいいのです。

 100年続く老舗が少しずつ味を変えているように、人も会社も、少しずつ表現方法を変えていく事で、ようやく現状維持を図る事が出来るのです。