「私は、あなたに困った時に使える便利な道具等になってほしくない。中田正義という、私の大切な人でいてほしい。」
『宝石商リチャード氏の謎鑑定』リチャードの言葉です。
8月の誕生石は、ペリドットです。
ペリドットは、複屈折率が高く、暗い場所でも、小さな光を捉えて、輝きを放ちます。
古代ローマでは、ロウソクの小さな光を捉えて、エメラルドのように輝くペリドットをイブニングエメラルド(夜のエメラルド)と呼んでいました。
そして、この輝きは、異性を惹きつける程、魅力的であると同時に、魔性のものを近づけさせない効果があると信じられてきました。
また、ペリドットは遠い宇宙から飛来する隕石と同じような成分をしている事から、その中に太陽のパワーを秘め、暗闇に光をもたらす力があるとされています。
特に、太陽神を崇拝し、暗闇を悪魔の世界として恐れていた古代エジプトでは、暗闇を吹き払う護身符として大切にされ、ファラオ(王)の崇拝物にもなっていました。
ペリドットの宝石言葉は「夫婦愛・運命の絆・幸福」です。
古来より、ペリドットには、情欲を抑え込み、正気を保つ力があると信じられてきました。
この効力により、ペリドットには、浮気を防止する力があると言う人も少なくありません。
浮気を防止する力は一例ですが、ペリドットは、私達が正しくいられるように知恵と分別を与えてくれます。
そんなペリドットを身に着けている事で、夫婦という明るい事ばかりの旅路ではなく、暗い事も起こる長い旅路を、知恵と分別により、良好な関係に保つ事が出来るかもしれません。
普段は決して派手ではなく、控えめな光を放つペリドット。
しかし、他の宝石の輝きが薄れていく薄明りの下で、輝きを放ちます。
私達の人生においても、人生が好調な時には、助けは必要ありません。
助けは、人生が不調な時にこそ必要となります。
日中は太陽の光を受けて薄く透ける樹葉を感じさせ、夜には月明かりの下で昼を名残惜しむように輝くペリドット。
私達が本当に大切にしなければならない人は、好調な時に周囲に群がってくる人ではなく、不調な時にも側にいて支えてくれた人です。