人生は凪の海ではなく、結婚は永遠に愛される保証でも権利でもなく、家族という器は頑丈ではなく、ちょっとしたことでヒビが入り、大事に扱っているつもりが、いつの間にか歪んでいることもある6

 

 「これは持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ。」

 『呪術廻戦』五条悟の言葉です。

 

 

 「2人の人間が、最も激しく、最も狂気をはらみ、最もはかない情熱の影響下にある時、その異常で疲弊する興奮状態を、死が2人を分かつまで維持すると誓うことを要求される。」

 アイルランドの劇作家、ジョージ・バーナードショーの言葉です。

 

 

 結婚生活の最初の4年間で、満足度は15~20%低下します。

 結婚までは「情熱的な愛」であり、その愛は結婚においてピークに達します。

 ピークに達したものは、御存知の様に、自然法則に則り、下降していきます。

 

 今後、低下していく事が、明らかにも関わらず、死が2人を分かつまで愛する事を強要される事は、自然法則にすら逆らう事であると感じてしまうのは、私だけでしょうか?

 

 

 結婚前に、同棲をしていたカップルは、離婚する確率が高いと聞いた事がある人もいるのではないでしょうか?

 その理由の1つは、結婚する前に、情熱的な愛の期間を燃焼し尽くしてしまうからです。

 同棲していたカップルが、結婚をした時には、すでに「エントロピー増大の法則」が始まっているのです。

 

 

 

 しかし、情熱が薄れる事は、必ずしも完全な破滅を意味するものではありません。

 多くのカップルは、夫婦になっていく過程で「情熱的な愛」から「友愛」と呼ばれる、激しい感情はないが永続的な安らぎ感のような感情に移行していきます。

 ただし「友愛」になると、2日前に公開した「理想化」はなくなります。

 

 

 2001年の研究では、カップルが婚約から結婚へ移行すると「理想化した歪み」が半減する事が証明されました。

 「恋愛」の宿敵である「現実」が台頭してくるのです。

 残念ながら、恋愛の宿敵である現実は、多くの小説・映画・アニメ等は描かれません。

 そのような中、冒険の後を描いた物語『葬送のフリーレン』情熱的な恋愛の後の現実を描き続けた『THIS IS US 36歳これから』等の作品が評価されている事は、社会が成熟してきた事を意味しているようにも感じます。

 

 

 

 最初は、魅力的であると思って惹かれていたパートナーの特徴が、否定的なものに変化していきます。

 「真面目」が「融通が利かない・つまらない」に「マイペース」が「怠け者」に「気遣いがある」が「粘着質」といった具合に‥。

 調査をした夫婦の、半数が、上記のような経験をしていました。

 

 

 さらに、結婚して4年後には、相手の身勝手さへの不満が、2倍以上になるという結果も出ています。

 「愛ほど歪んだ呪いはない」の特徴として、上記のように「理想化」が反転する事が挙げられます。

 あなたは、パートナーに好意的に偏った見方ではなく、否定的に偏った見方をしているのです。

 事実は変わっていないにも関わらず、変わったのは、あなたの解釈という事を、あなた自身が気付く事もなく‥。

 

 

 こうなると、最早あるゆる問題が、状況や環境のせいではなく、パートナーの性格的特徴のせいになっていきます。

 

 

 結婚生活を続けていく事は、並大抵の事ではありません。

 では、結婚生活を続けていく為に、否、2人の関係を破滅に向かわせない為には、どのような事が必要なのでしょうか?

 この続きは、また明日。