2006年発達障害(注意欠陥多動性障害ADHD・自閉症ASD・学習障害・情緒障害)と診断をされ、普通級ではなく、支援級に通級し指導を受けている児童生徒の数は1万人でした。
これが、2022年には、13万4千人になっています。
子どもの数は減少の一途を辿る一方であるにも関わらず、発達障害という診断を受け、小学校の支援級に通級する子どもの数は13倍になっています。
また、イーロン・マスクを始め、自らをADHDであると公表する著名な人も増えてきています。
この問題に対して、私は少し変わった方向から光を当てたいと思います。
日本では、学年の区切りが4月1日です。
その為、3月生まれの子どもは、4月生まれの子どもよりも、殆ど1年近く成長の差があるにも関わらず、同じ学年にされてしまいます。
ある程度の大人になれば差異がない事ですが、小さな子どもにとっては1年の差というのは大きな差です。
4月生まれの子どもは、1年も経っていれば、歩けるようになる子も、話す事が出来る子も出てきます。
その時、3月生まれの子どもは、生まれたばかりです。
これで同じ学年にされてしまうのですから、子どもにとってはたまったものではありません。
ブリティッシュコロンビア大学のリチャード・モローは、小さな子どもでは、生まれた日の差が大きく出るのではないかと仮説を立てました。
そこで、93万人を超える6歳~12歳の子どもを対象に、ADHDと診断されるリスクについて調べました。
カナダでは、1月~12月までを1つの学年と設定しているのですが、12月生まれの子どもは、1月生まれの子どもと比較し、ADHDと診断される割合が、男の子で30%高く、女の子で70%も高い事が証明されました。
何らかの障害があるとされ、薬が処方されるリスクも、男の子で41%、女の子で77%高い事も判明しました。
ADHDは、集中力がない(注意欠如)・じっとしていられない(多動)・思いつくと動いてしまう(衝動)といった症状がみられる障害です。
しかし、少し考えてみれば、1年も差があれば、小さな子どもであれば、集中力が続かず、じっとしていられないのは当たり前です。
たまたま生まれた日が、学年の終わりの方だったのであれば、成長が遅いのも当たり前です。
それでも、同じ学年の子と比較されるのだから、本当はとてもアンフェアであるといえます。
自分の子どもに発達障害を疑う場合、自分の子どもの生まれた月日も考慮してみて下さい。
医療関係者・心理関係者・福祉関係者は、この点を意識しません。
全てに当てはまるわけではありませんが、若しかしたら、3月生まれの子を4月生まれの子と比較する事が問題なのかもしれません。