人生は1度きりだから、生まれ変わるなら生きてるうちに

 

 「ちと細ぇな。また鍛え直しだ。」

 『テラフォーマーズ』アシモフの言葉です。

 

 

 地球上で最も繁栄している動植物は、昆虫です。

 昆虫は、これまでに100万種以上が発見されており、地球上の全動植物の54%を占めます。

 しかし、昆虫は毎年2,000種以上の新種が発見されており、実際には3,000万種から5,000万種はいるだろうと推測されています。

 

 このように、地球上で最も繁栄している昆虫ですが、海に住む昆虫は非常に少ないのです。

 昆虫が海にいない理由については「海水の浸透圧に対応出来ないから」「水圧で気管が壊れるから」等の仮説が提唱されていますが、いずれも仮説の域を出ていません。

 

 2023年4月東京都立大学の朝野氏が、昆虫が海に住む事が出来ない理由は、昆虫の外骨格の出来方によるものではないかという論文を発表しました。

 昆虫は「マルキ銅オキシダーゼ2」という酵素(タンパク質の一種)を使った化学反応により、外骨格を硬くします。

 この反応には、酸素分子が必要となります。

 海中は、空気中と比較し、酸素濃度が30分の1程度しかありません。

 その為、昆虫は、海中で外骨格を硬くする事が出来ません。

 これが、昆虫の海洋進出を阻んでいるのではないかというのが朝野氏の仮説です。

 

 

 昆虫は、海にいた甲殻類の一部が陸上に適応して進化しました。

 甲殻類は「マルキ銅オキシターゼ2」の遺伝子を持たず、海水に多く含まれるカルシウムを沈着させて外骨格を作ります。

 昆虫は、甲殻類にはない独自の遺伝子を獲得した事により、カルシウムに頼らずに軽くて丈夫な骨格を作れるようになりました。

 これが、昆虫が陸上で繁栄する事が出来た最大の理由であるとともに、昆虫が海にいない理由でもあります。

 

 

 

 エビやカニ等の甲殻類は、身体の外側に硬い殻がある為、そのままでは身体を大きくする事が出来ません。

 その為、身体の内側に柔らかい殻を作って大きくなり、古い殻を脱ぐ脱皮を繰り返して、成長していきます。

 

 昆虫は、カルシウムに頼らず独自の遺伝子を獲得し軽くて丈夫な骨格を作れるようになり、地球上で最も反映した生物種となりました。

 甲殻類は、身体の内側に柔らかい殻を作って大きくなり、古い殻を脱ぐ脱皮を繰り返して、成長していきます。

 「自分の殻を破る」とは、自分の思い込みや偏見・決めつけ等を打破して、新しい自分の可能性を追い求める事を言います。

 

 私達、人があるべき姿は、生物を観察する事で、見つける事が出来ます。